休み明けの日から

 はりきってフォアシューレへ登校した香音。真新しいシュールタッシェを背負い、ハイテンション。私はなんだか疲れてしまってるのか、あんまり能率よく用事をこなせず午後になりお迎えに。ドアを開けると香音、わーんと泣きだす。どうも疲れたのか、私の顔を見てホッとして泣きだした感じだった。ご機嫌良く帰宅したものの、なんかグチグチうるさいなぁ、甘えるなぁと思ってうるさがってたら珍しく寝てしまった。1時間ほどお昼寝。久しぶりの刺激いっぱいの世界、疲れたのかなと思ったら小さな擦り傷発見。すべってぶつかった男の子に叩かれた、と言う。被害者意識を植え付けてはいけないと思って、抱っこしながらも、「ふーん、そっかーへぇ」とつとめてソフトに返事しながら、やんわりと聞き出すと、その男の子はあんまりやさしくない、でも香音はその子もみんなも好き、でもママ何か言って、ごめんって言ってほしい、と言う。

 翌日。ま、昨夜の母子の会話を軽く報告、と先生に話す(寝る前に辞書でいくつかの単語を下調べ。英語でもそんなもんです)。端的に、こう言うことを言ってたので、報告します、ちょっと気をつけてみて下さいネ、と話す。いさかいとしては、大人は誰も見てないからわからないし、調べることでもないからいいと思う、と言ったけれど、先生は「遅すぎることはないので、彼と話しますよ」とのこと。ちょうどそこにいたカトリックの先生も話を聞いてくれた。ただ香音は今も、時どき気に入らないことがあると未だ、友達に「ベーッ」としたりブンと押したりすると言う! なんだ、やっぱり先生が素早く思いつくほど香音にもそこそこの要因があったではないか(ジロリ)と睨んでやりたいのを抑えて、心配そうに先生と私のやり取りを見にきた香音に、やさし〜く(汗)「あかんよぅ」と言って聞かせる。まだまだ、言いたいことを言えないもどかしさもあるので、と思わず先生に言い訳してしまうが、まぁわかって下さっているからこそ今まで私にとやかく言わなかったのだろうし、なんとか気を取り直し、ではまたあとで、と学校をあとに。
この日はヒドい日で、イマイチ体調のよろしくない私は昼寝して、お陰で午後の友達との待ち合わせに慌てて出かけたもので、携帯電話を持ち忘れてゆく。すると、その友達が急用で来れなくなり小一時間近所のおサレなカフェで待ちぼうけ、尚かつクラスの先生から電話がかかっていたのも知らずにお迎えに。香音は本日、じゃんじゃんバラバラ、ゲリピーの嵐だったらしい。ショック!
可愛そうに、用意してあった着替えも何度も汚して、借りたズボンで頼りなさそうな香音。先生に、明日は休ませた方がいいですよ、と釘をさされ、珍しくバスに乗り気宅…。
うちでも下痢は続き、観察するとどうも消化不良。昨夜のきのこ料理がよく噛めなかったのか・・・。

 金曜本日。やはり軟便は続き、いつもほど食べたがらないので、消化の良いものを食べさせて様子を見る。モノの本によると、「梅干醤油焙じ茶」が良いとか言うので、先日内橋さんが運んでくれた梅干とかおうどんが活躍。細かくした細いおネギ的ハーブとたたき梅を醤油でとき、柔らかめに茹でたおうどんにのせてそこへ焙じ茶を注ぐ。狙い目的中! なかなかの美味ではないか。味の濃い飲み物が嫌いな香音はスープだと喜んで食すので、これはなかなかの発案だった模様。一方、貧血気味で弱っていた私は、鶏肝の生姜煮を食べたかったのでそれを作ると、香音も喜んで食べている。下痢にどうなのかこれはわからんが、その後一度あった下痢はちょっとだけマシに。明日、さらに用心して様子を見よう。


 これまでの環境と違って、クラスのお友達、とくに男の子はキビシい。もちろん優しい子も居るけど、香音のできなさ、わからなさにイラついたり怒ったりする子がときどき居る。日本語や英語なら、どうにか機会があれば何か言ってやれるんだけどそれもできないし、参ったな、どうしたものかな、と閉口した。
でも、よくよく考えたらそれは全部当たり前なんだな。
だってもう、まわりは皆、手厚くされてる幼児ではないからだ。まわりの子どもたち自身、できなければ時に怒られ、叱られ、わからなければ自分でもイラつき、そして努力したりしなかったり…というお年頃なのだ。いつまでも「できなくても仕方ない、だってまだ幼児だもの」と保護されるばかりの年頃では、最早ないのだ。
もちろん、香音特有のペナルティがあって、まわりの大人がリードして子どもをさとして理解を促すことも必要だろう。こんどの保護者ミーティングで何か言わなきゃいけないかな…と構えたりもしたけど、いや待てよ、先んじて大人がエクスキューズするのは、もしかしたら幼稚園までかもしれない。これからは、子ども同士でぶつかって、怒ったり泣いたりして、その後で、SOSを感じたら動けばいいんじゃないか。それしか、ないか…。

そしてそして、我が身を振り返れば、何も乱暴なクラスメートに目を光らせなくっても、それ以前に母親である誰かさんも相当理不尽な処遇を強いてることだって、あるじゃんか。あたしだって・・・(大苦笑)。
真綿の様に保護してるフリして、時どき「ウリャーッ!」と怒り過ぎてることもあるではないか。あーあ、シマッタ。
多かれ少なかれ、外の世界でこれから色々気苦労が増えるのだから、そろそろ家の中の気苦労をなくしてあげなくちゃ。ちょっとくらいクラスメイトに意地悪されても、跳ね返せる楽観性を、あの底明るさを、増長させてあげよう。ギャンギャン怒って追いつめたりしないよう、わたしがまず気をつけよう。
いつか本気で疲れて帰ってきた時のSOSを、察知してあげられる様に。


さて、土曜。天気が良いのでナッシュマルクトまで買い物に。もはやTシャツでちょうどいいくらいの暑さ。
うちは一階だから、家の中はまだまだヒンヤリするのになぁ。明日は花見。
持参する一品は何と鰯の梅生姜煮と決心しました。いっひっひー!