ちょっと外出してみた

本日はお昼からレオンくんたちと新百合ケ丘に出た。香音の従姉一家との会合が、内橋さんの仕事で明日に延びたから。
内橋さんは本日もストロボ。目下UAの唄入れらしい。昨日は屋久島からの土産に焼酎を頂いた。みんなお菓子とかの土産なのに、自分だけは焼酎だったと内橋さんは笑っていた。なんでかなー。
新百合ケ丘はなんか、こじんまりとしかし充実していた。駅前に聞いたことのある名前のファッションビルがあり、スタバがありツタヤがありコンビニがありジョナサンがありあれもこれも揃った疑似都会だ。売っているものもおそらく近似な中都市の品揃えと何ら変わらないだろう。おそらく、東急とか小田急とか京王線とか、それらの私鉄沿線の急行が止まる駅って、かなり同じようなもんなんじゃないかと思う。へぇ、しか感想は浮かばないけど、それが「必要」な人がいっぱい居る、そう思うとうんざりする。なぜならそんな“必要性”はきっと、とっても危うい安心感だからね。

そんな、人々の顔を均一にしちゃうような町並みを一切気に留めず、レオンくんとカノンちゃんは手をつなぎ走り回っていた。4ヶ月ほど月齢の差があるふたり、しかもレオンくんの方が「若い」ワケだけど、二歳くらい年下に見えるカノンちゃんをレオンくんはうまくリードして、ふたりは楽しそうに、きゃっきゃきゃっきゃと駆け回る。いささかマナー違反の感も否めなかったが、これしきの違反!と私は大目に見てしまった。


ファミレスでランチをした時、食事の終盤香音がごねた。どうやら暖房ガンガンの店内の窓辺のひだまりの席で満腹とともに眠気に襲われたようだったが、食べ物を粗末にさせまいと、わりとしっかり叱りつけた。レオンくんの前で叱るのは初めてではなかったけど、ママに小声で「カノンちゃんのママは人前でも本気で怒る」とビビって言っていた。ママ氏は「悪いことにガンと怒るのはママだけじゃないのよー」なんて言う。我々の幼稚園のママたちは怖い怒り方、お外ではしないからね。私が、「こわかった?」と聞くと、「ぼくは怖くなかった」と言う。「ママの方が怖い」と。でも私から見ると、しっかり叱られて彼が泣いちゃう時も、その母はぜんぜん怖く見えない。私の方がハタから見ても鬼入ってるやろう、と思うのだが。
すっかり遊んだ帰りがけ、はしゃぎ様が目に余った彼のママはビシッと注意していた。相変わらず怖くは全然なかったんだけど、彼はわなわなとビビっていた。


そっかあ・・・。迫力とか文言で怖いというよりも、「愛する人の怒りに触れる」と言うことが怖いんだな。そりゃそうか。母親に背を向けられると、それが本気っぽく見えるだけで暗闇に置いてけぼりにされる気がするんだろうなあ。そういえば私は、小さい頃あんまりにも母の怒り方が怖かったから「ママは悪い子の私のこと嫌いなのに、我が子だから仕方なく育ててるんやなあ・・・たいへんやなあ」と本気で思っていた記憶がある。最近になって「子育てに真剣やったから、あんたみたいに気軽に笑ってられへんかったわ!」と、私のへらへらした子育てに呆れられたことがあるので、きっと嫌いだったのではなくピリピリしてたのね、と理解しているが。



ついでに回顧すると、そんな小さい頃、買い物の途中人混みに困った母が私と弟に、「用事を済ませたら戻ってくるからここで動かず待ってなさい」と言われたことがあった。兄がそういう時言いつけを必ず守る子だったから、こういう待たされ方を何回かしていたと思う。普通は、子どもは約束の重大さを忘れてふと、気になるものの方に吸い込まれるように近寄ったりしてしまう。釣られてしまうんだ。でも私はそういう時、気が散って「面白そうな方」へ行ったりなんかはしなかった。ただ、ふと「ママは戻って来ないかもしれない」という恐怖で、ママを捜しに行ってしまっていた。でもだいたい、不安にさいなまれて持ち場を離れてしまう頃にちょうど親は帰って来るもので、「こらどこへ行く!」と叱られ信用をなくして終わってしまっていた・・・。もし、子どもが楽しげに約束の場所を離れたのではなく、心配そうにうろうろしていたら、叱らないで「何してるの、ママは必ず戻って来るのに!」って言ってあげて欲しい。そうしてたらきっと、子どもは約束を守れる子に成ると思う。


しかし運命のリベンジか、香音は「楽しそうな方に」吸い込まれて行く子だ。スーパーとかではぐれそうになる時(しょっちゅうはぐれちゃうんだけど(冷や汗))、試しにスパイのように後を追ってみると、「わーい、くまちゃーん、うわあ、あかちゃんだー」とふらふらと行ってしまう。かなり楽しそうに。しかも私の顔を見つけても、悪びれた様子もない。何度も「離れないで、離れたら大変!」って、教えていてもね。それでも、ちょっとしたトラウマのある私は、「こら!」と言えず、「ママと会えなくなっちゃうから勝手に離れないで!」と抱きしめてしまう、親バカでした。