大変なことになった日   

朝、ヘルゲから内橋さんにメール。
大変なことになってしまった。

3月末の渡欧を前に、いろいろ調整に入るところだったはずが、プランの根本をくつがえす必要が。
簡単に記しておくと、はじめは観光ヴィザを予定していた。アーティストヴィザなどは個別のケースが多くを占めるので、あまり早急に結論を急ぐより時間をかけて人脈を得る方が得策との意見が、私たちの周りでは多かった。(ま、絶対数は知れてますが)。

オーストリアは外国人学生が自国の倍とも言われていて、学生ヴィザは取得が難しい。その分観光ヴィザが6ヶ月と長くなっていて、語学留学程度の人は観光ヴィザを使うようだ。そんな訳で、私が学生ヴィザをとることも困難なのでまずは観光ヴィザで入っておいて、内橋さんは日本でも忙しいから行き来しつつ可能性を探ろう、これが今回のプロジェクト仲間、現地メンバーとも話し合って想定していた方向性だった。
が、いやあ、所詮はミュージシャンども、ツメが甘かったのは言うまでもない。
っていうか、内橋さんがのんきでオメデタイ系であれば、その朋友達も似た者同士・・・?


今朝来たメールは昨日エックハルト(本プロジェクトでは貴重な非ミュージシャン。しかし渋さ知らズのファンという影もある)と昨日会合したヘルゲから、ちょっと慌てた指示書であった。曰く、「カズ、ただちに大使館に行ってこれこれをせよ」、「やっぱりアーティストヴィザをとらなくちゃだめぽ!」。
頭のどっかでは「やっぱり・・・」と思いつつガ〜ン。かくして大慌てでスタジオ出勤の前にエンバッシ−に駆け込む45歳、推定小学五年生、であった。



大使館直撃後、ZAKんとこからメールしてきた内橋さんの記述は断片的だったのでまだ詳細不明だけど、幸いだったのは館員の方がとても親切だったとのこと。これは結構大事なポイント。と言いつつ、思い出すのはイタリア大使館の窓口に居た初老のダンディだ。あやしい日本語使いのダンディは、日本語の書類のトンチンカンな記述部分を指差しながら、微笑ましい日本語でいろいろ説明した上、「どういたしまして」と言いつつウインクなんかしてくれた。日本で外国で、いくつかの大使館体験はある我々だったけど、ウインクされたのははじめてで笑った。

まあイタリア男はいいとして、だ。

のんびり屋の内橋さんにはやっとエンジンがかかりしかもアクセル全開が必須、という状況だ。実は一昨夜深夜、あなたののんびりっぷりはちょっと怖いです、という趣旨のことを、この語調の100万倍の迫力と怒り全開で訴え攻め、やっと彼は猛省していた…という経緯があったので、タイミング的には随分と助かったかもしれない。
だって、猛省前の彼だったら、私もどれだけ不安や怒りに苛まれていたかわからないし、彼だってきっと、エンジン着火に時間がかかったことだろうから。
私も猛省する大の大人を前にしたのだから、内心色々悔い改めることもありました。はい。
そんな対決と猛省後だっただけに、我々は改めて騒ぐことなく静かに受け止めることができた・・・。夫のこれからの頑張りに期待したい!



そしてこれからがホントに大変なのだから、神社にお参りに行くかわり、困った時の香音頼み、ということで我が子に「すべて上手く行くように、祈って下さい」と懇願した。だって、香音の言うことなら神さまも聞いてくれるかもしれないんだもん。
我が家でいちばん、神さまに近い人、ってことで!
よろしく! 香音ちゃん、よろしく! ご先祖さま!!
頑張れ、内橋家!!!!!