オークション三昧   

■特集! 今日の内橋さん

さて、『今日の内橋さん』ファンの皆さんこんばんは。
あなたの私の愛おしき萬年小学五年生・内橋さんは今日もやってくれました。


今朝からヤフオクに不要品を載せまくると大張りきりの内橋さん。
いきなり、実家から頂いた数百万のイタリア製本革(しかもブタ!)超高級ソファ(価格はバブル当時の、だけど)を何を勘違いしたのか、定価30万でしたと書いて千円スタートなんかしてしまっている。この勘違いを指摘すると、「ギャーッ」と慌てて[終了」させてしまった。恐ろしくきことにすでにもう、ウォッチリストに入れているひとが複数いらしたとか。

引っ越しに向け、たくさんの不要品がある訳ですが、時々ヤフオクを覗く私としては「程度は良好です」「丁寧に使いました」と言うがために、ばっちり手入れしてキレイにした部屋でレイアウトも考えて商品写真の様に撮影して側面/裏面フォトももちろん・・・と、一円でも高く売れる方策を講じなければ、と思うが故、結局邪魔臭くって腰が上がらない。怠け者の完全主義者、ということろです。

しかし大らかなること空の如し、内橋さんの出品はダイナミックこのうえない。商品写真はたった一枚。
しかも掃除もお手入れもすっ飛ばして撮る上、映って欲しくないほかのものもいっぱい入っちゃうもんだから、カットしてカットして写真が異様に小ちゃい。売り文句も、ソファの様に事実と異なることもあれば「引っ越しするので格安出品です。まだまだ使えますよ。取りに来てくれる方待ってます」これだけ!!!!
まあそこはかとなく“内橋さんらしさ漂うおだやかな文面”なので思わず笑ってしまうのですが、こんなのでいくら100円スタートでも誰か買うのかしら、と心配になります。


しかしそこは強運の神。今日だけでテレビとエアコン一基、売ってしまいました! 即決価格を1万円とか8000円とか、格安にしてたからなんですけどね。
経年3年程度で現行品、使用頻度が極めて少なかった子ども部屋のエアコン、6から8畳対応でなかなか静か、まっとうなもんです。これを即決1万で出した。すると早速業者らしき人から機種の質問が入り、素早く返答を書くのに気を良くした内橋さん「業者さんが喰いつくということはコレ、お買い得だということですね?」と書いてさりげなくアピールしたつもり。
それが数時間で北九州の方に即決1万円で落とされたもんだから大変。
よく考えたら天井近くにつり下げられたクーラー、はずさなきゃいけない。
送料は落札者持ちとは言え、取り外し代を考えてなかった。今更業者に頼めば落札価格なんてすっ飛んでしまう。慌ててネットで調べて道具を用意し(もちろんホームセンターで購入)、ドタバタと大騒ぎしながら“必死のぱっち”でやっとのことで取り外した。
取り外し方を勉強して道具を買いに走ってやっとこさ取り外して・・・こんなのどう考えたって安すぎます。スタジオでギター弾かしたらしっかり請求書を書く男、この希望落札価格は安すぎたと学びました。


一方微笑ましかったのが大型テレビ。思い起こせば7年前。
神戸のリサイクルショップで見つけた40インチの大型テレビ。かなりの大画面で価格は4万数千円、「リモコンがメーカーにも残ってなかったので、色調調整ができません。画面が若干黄色がかったままなのでお安くしてます」とのこと。悩んで購入した結果、なんと本体のスイッチで色調調整ができてしまった。以降、本日まで画像バッチリ、映像バッチリ。大変お得なお買い物。あれから神戸時代はまとめてビデオやレーザーディスクを観る「ミレニアム全巻鑑賞会」「キャシャーン全話鑑賞会」など、数々の楽しい思い出の真ん中にいた大型テレビ。スカパーを観てた時代もあったなあ、消すと狭い部屋に黒い塊がデカすぎてうっとうしく、押し入れに置くと言う妙案が生まれるきっかけにもなった。現在香音が起きてる昼間は押し入れの中で静かに時を過ごし、子どもが寝たらおごそかに扉は開け放たれ、夜ごとDVD鑑賞や朝生ウォッチに活用される。

このテレビをも即決8000円で出した内橋さん。[取りに来てくださる方]と条件をつけると、早速隣接した某市から問い合わせ。なんと、「映り具合などを下見に行っていいですか」とのコンタクト。何も考えず「いいですよー」と返事したらしいのだが、うちは散らかってるし知らん人が来るというのもやはり気が進まないので、ここは断固として反対した。落胆しつつ内橋さんが「カミサンにダメと怒られました。スミマセン」と連絡すると、「そりゃそうでしょう、普通イヤですよ。一人暮らしかと思いましたよ」との相手方。しかしどうしてもこのテレビを下見して決めたかった様で、「これでもし信用してもらえるならば」と、なんとそのおじさん、家業のホームページのURL、それのみならずご自分、ふたりのひょうきんな子ども達、それに宴会料理に箸をのばすリラックスした奥様のお写真まで送って来られた。どれも日曜夜7時台の素人参加番組に楽しげに登場してきそうな、とても和やかなご家族の写真である。そんな写真が貼付されて送られて来たのである。もう人情にボロ負けした内橋さんと、そんな夫にあきらめ色の私は、では下見に応じるべきかしら、と悩みはじめ、その意思表示をして返信を待った。
しかし、ほどなくしてテレビはまったく別の方にいとも簡単に即決落札されてしまった。ほんとうにあっけなく。
そして幸せ家族のお父さんは、落札を逃したことを惜しみつつ、「危険を冒して家族の写真を送ってしまったのはどうも後味が悪い」とこぼされたので、こっちの幸せ父さん(今日の内橋さん)もなんと、「ではこれでオアイコと言うことで」と、我が家族三人の写真をご丁寧にお送りしてしまったそうだ。いったい何をやってるんだ、この人たちは・・・。
電車男、浮気相談、ネット社会のハートウォーミングストーリーがここにもひとつ、誕生した。