一時的に宿を移る。

今日は内橋さんはヘルゲに誘われて、午後はどっかでセッションするらしい。その間に部屋を片付け、隙をみてシルヴィアんちに珈琲でも飲みに行こう。みんなが出掛けた広い家の中は、引っ越し準備に入っているので妙にガランとしてるような、混沌としているような。私たちだけが住むようになったら、どんな風になるか想像もつかない。

片付けも終わった午後、シルヴィアから電話。徒歩5分とかからないところに彼女は住んでいる。おそらくこちらの友人宅の中では一番豪華な雰囲気があるアパートに、友人夫妻とルームシェアしていて、そこはもともとその夫妻の夫の実家らしい。料理をまったくしないシルヴィア、待ち合わせた角でケーキを買って頂く。おしゃべりしてちょっと遊んで・・・、あっという間に5時を過ぎた。香音はその間シルヴィアの膝の上で本を読んでもらったりして大いに楽しめた模様。

怠け者の夕方は忙しいと言いますが、この日は大いに忙しかった。
6時頃、内橋さんとベンハートの帰宅を待ってエックハルトと由香さん、来訪。ついでに育海くん。香音は彼に首っ丈で、照れ屋の彼が隠れると追い回す始末。そのうち逃げる、隠れるに快感を得たのか、ふたりの追いかけっこは拍車がかかった。その傍らで大人たち、在留証明書の申請書類やらこのアパートを借りる「やわらかな契約書」作成に取りかかる。ほどなくしてヘルゲが登場し、私と彼は今夜から内橋さんの一時帰国まで過ごす短期契約のアパートに荷物を運ぶ。もう前金を払ってしまっているので、まあちょっとした旅の気分で過ごすとしよう。いずれにせよ3ヶ月近くはアダ母子とダブル母子で過ごすので(内橋さんも半分は来るけど)、それまでしばしの休息、ということにもなるか。
スタッフの女性からカギを受け取り、荷物を一旦置いたらまだアダ邸に戻る。ベンハートは明朝ルクセンブルグに帰るので、最後の夜。私が切った材料を、いつの間にかベンハートが調理したらしく、今夜の絶品はペンネである。ヘルゲは「来週ほとんどマルティナと会えないんだ」と言って帰って行った。この時点ですでに9時。それから整える書類を手伝ってもらったりして結局、宿へ三人揃って移ったのはもう11時近くなってしまった。足からは幼稚園だと言うのに、すまぬ、香音。この夜更かしは大失敗でした!