散歩しながら林檎

椎名林檎を聴いてた訳ではありません。


きょうはとっても変なお天気であった。朝から肌寒く、上着を取りに戻り、正午過ぎにはざんざと俄雨。朝着せた上着では心配になり、お迎えになおしっかりめのヤッケを持参。それも無用であったかのように照りつけたかと思えばまた、ささと雨。うーん、どないなっとんのよ。

それでもお迎えの帰りは電車の駅をひとつ早めに降りて、シュタッドパークを散歩して帰ることにした。ぶらぶら、ぶらぶら。香音にリンゴをひとつ、持参していたので、駅を降りたらそれを渡す。お散歩しながらリンゴをかじるのが大好きになった香音。こっちでは(ウィーンに限らずヨーロッパ全域だろう)、大人がほんとによく歩き食べしてる。食べ歩きじゃないよ。サンドイッチやパンをかじる、リンゴをかじる、食べにくそうに熱々ピザを食べながら歩く人だって少なくない。こっちの人混みは東京の「まばら」(?)くらいなので香音にも時々、とりわけのんびり歩けるところならリンゴやパンを与えてる。とても美味しそうに、楽しそうに、そして懸命に食べるので、すれ違う人もプッとか笑ってしまう。
今日は、ベンチに腰掛けてご喫煙の強面おばちゃんがリンゴに夢中な香音を見るや、にんまり笑って「schmekt apfel? ja?」と訊いてきたんだけど、香音はバッチリのタイミングで「 ja!」だって。驚いたことにそのあと、「何て言ってた?」と香音に訊いてみたら、「りんごレッカ?ってきいてた」と言うのです。おばちゃんが言ったのはオーストリア式、レッカはドイツ・ドイツ語。香音は発音しやすいレッカから覚えてた。まぁ、リンゴを無心に喰ってるおガキをつかまえて「どこで買ったんだ?」とか「あたしの分はないのか?」とは誰も尋ねんだろうが、見るからに「あらぁお嬢ちゃんおいちちょ〜でちゅね〜」みたいな人でもなかったのよ。
香音はどうやら言葉をキャッチすると言うよりメッセージをキャッチしてる、とは前から感じていたけどいやぁ、なかなか。