ドイツ語学習の名のもとに。

火曜日はなかなかの献立であった。
朝、クラスメートのフィンランド人くんと朝食勉強会を企画。勤勉な彼はどっから見てもただただ優等生。韓国人オペラ歌手の我が友ベティなんかは「変人」と言い放っているけれど、フィンランド人とお近づきになるのも初めてなだし(そういえばFBIの初期、フィンランドから鳴り物入りで登場した現代音楽とジャズのマージュとか謳ったバンド。ふたを開けたら使えねぇ呑んだくれのバンドだったってことがあったよね。名前忘れた)、お勉強に集中できそうなので声をかけてみた。
彼は先週末次ぎのクラスをスキップする試験を受けて無事合格したので、そんな近況やプライベートの話をしていたらなかなか英語からドイツ語に切り替えられない。「1、2ヶ月後ならもうちょっとドイツ語で話せるかな」とか言いつつ、それでも授業で使ったプリントで出題し合ったり、真面目に時間を過ごした。
が、香音のお迎えまであと30分ぐらい、というところで映画の話をはじめたら、なかなかそれがはずんでしまった。「良い映画と言うのは色んな意味でたくさんあるけど、good comedy は難しい。でもひとつ思い浮かぶのは・・・」と彼が挙げた名前が嬉しいことに「ロイアルテネンバウムス」! 皮肉なことに、ホットな話題で盛り上がった30分はドイツ語学習中とは比較にならないスピードで過ぎてしまった。

午後はまた階上の次女に香音をお願いし、たっぷり自宅で学生君とドイツ語学習。学校が休みになるとドイツ語を聞く時間がどうしても減ってしまう。特に「理解できるレベルのドイツ語」を聞く時間が。そんなワケで大いに助けて頂いております。学生君。

朝から独身男性との平和なデート(?)が二件続き、充実の本日。それでも一日は終わりません。

ドイツ語学校のクラスに最近加わったナイジェリア君。アフリカ人です、アフリカ人。火曜日は休みなので会いましょう、お宅の近くまで行きます、という。クラスでは数回しか遭遇してないけれど、ドイツ語向上心がちゃんとあるクラスメートのおひとり。フィンランド君と同じ気分で気軽に口約束だけしていたら、携帯にメールが舞い込んでいた。なんと「you are so sweet!!」とあるではないか! あらまあ! 気がつかなかったけど「メールを送った」と言っていたのはこのことだったのか。「見てない」と言っておいて良かった・・・。いやいやしかし、どうしたものか。今日ホントに来るのかな。冷や汗。こんな時は女友達!と、我が頼もしきクラスメート、ベティに御出で願う。チョ〜幸いなことに今夜はヒマだったようで15分でご到着。前後してナイジェリア君からも電話。メールは見てないことにしてご招待。今日は同居人母子が夜の外出、ということで彼女等が帰るまで私は出掛けられないし、黒人ファンの香音も喜ぶかな。とのんきな発想。4人でテーブルを囲むの図はほんとうに可笑しかった。ベティちゃんは香音にはとろけるように優しい。そのくせナイジェリア君には容赦なくツッコミを入れまくるので、ハラハラドキドキである。緊張感最高潮の会話など、こんな有様である。
べ「あなた、ゲイでしょう??」(もうこの時点で爆弾は投下されている)
ナ「なぜそんなことを聞く?」(至極当然の質問。)
べ「知りたいからよ、答えなさいよ、答えるべきよ」(わからない、その理論がわからない・・・)
ナ「そんな質問に答える必要は無いから、ノーコメントだ」(大人である)
べ(くるりと私に振り向いて)「(自信満々で)彼はバイセクシュアルだと思うわ!」(・・・?!)
(ひとりなぜかあせってしまった私。思わず叫ぶように)
か「Oh, ...but I think Iam also Bisexual!」
この話は後日シルヴィアやとしまる師匠等に大笑いされてしまった。

まぁしかし、学校の不平をならべたりしてる間にエリザベツ母子帰宅。お子ちゃまご就寝の邪魔をしないように我々は戸外のカフェに移動。ナイジェリア君はつまんなかったのか(苦笑)帰って行った。そのあと深夜までベティ節全開。初夏の夜更けはわりかし深々としていて。