初体験。〜前編

 ご無沙汰してる間に、初体験すませちゃいました。ウフッ。

帯状疱疹(らしい)症状に悩まされ、発見が遅れたのですが、どうやらわたしも香音もアレにやられていたらしい。
アレ・・・。


 ・・・しらみ です・・・。


先日、深夜に思いがけずumd&カコイくんとスカイペにてネット電話に成功。
久々の声を聞きつつのんびりしていたら、かゆい・・・かゆい・・・。
ぽりぽり頭を掻いてる最中、ふと指先に触れた物を見ると・・・それが虫なのです。
ちいちゃい、めちゃ小ちゃい。
最初は、えぇ〜ダニですか?! と思ったのだけど、なんだか違う気がして、うめちゃんとしゃべりつつネット検索。
どうやらシラミさん,おシラミ様ではないかと訝りつつもまだこの時点では確定できず、なんとなくどんよりとした気分のままぽりぽりしてたのですが、翌朝我が娘の頭部詳細を探ってみると、嗚呼、タマゴたち・・・。じっくり見たら、なんでこれまで気づかなかったのかと言うくらいの数です。もうこりゃ確定。
取りあえず、もう指で取るにも限界があるので、多い地帯をハサミででチョッキラチョッキラ。あらゆるシラミ検証サイトで記述される通り、後頭部・耳の上とうしろ、そしてこめかみなんかが多いこと。内心めちゃ慌てて切ったから、なんかけったいなモヒカンみたいになってしもた。でも元が髪の多い子なのでけったいな髪型はパッと見まぁ目立たないけれども、しかしこの髪の多さが寄生&繁殖の発見を遅らせたと思うと気の毒でなりませんでした。
それでも切りきれない、取り除ききれないタマゴはあるし、ああどうしようかとかなり沈鬱。


で、日本語で検索して調べてみたところ、祖国でも実は意外とおシラミ様の被害は大きいらしく、あの、昔の映像で見た覚えのある、学童の頭に毒薬噴霧(DDTですね、プロレス技ではなくね)、あれを取りやめたことも被害拡大の一因であるらしい。しかも、どれだけ清潔にしていようと、例えば幼稚園などで子どもたちの接近戦があるともうアウト。おシラミ様に宿られた子どもとタオルの使い回しなんかしてたらもうアウト。帽子を借りたらもうアウト。櫛を借りたらもうアウト。頭ひっつけて居眠ったりしたらもう、アウトアウトアウト。
おシラミ様は飛ばない、跳ねない、人様から離れたら72時間ぐらいでお亡くなり、なのだそうだが、それでも移動はかなり素早いから難儀。こんなに手強く、しかも万人の悩みであるだのに、なんとなく祖国では恥ずかしいイメージが強いですよね。どうやらこの、頭にいらっしゃるアタマジラミの仲間であり別種の、ケジラミさんが陰毛に寄生し尚かつ“色事業”でうつる、という赤面情報がアタマジラミもついでに恥ずかしませる原因のひとつとなっているようです。シモのシラミはまぁ置いといて、頭のおシラミ様は清潔不潔に関係無いらしいし、そんなに恥じ入ることは無いはずなのですが、いやぁやっぱり私はやまとんちゅー、落ち込みました。

で、祖国での駆除はもっぱら国内唯一の駆除剤としてシャンプーとパウダーがあるという。
なんでも、一回あたまにつけて一時間熟成させ、二日置いてもう一度、中二日でまたもう一度、となかなかのプロセス。
何と言っても殺虫剤を頭に塗布するわけで、しかも挙動激しいおチビに三回も・・・となるとなんだかかなり大変そうだしチト不安。日本から送ってもらうしかないかなぁ、こっちの薬、自分で買って自分でやるの、大変だろうしなぁ・・・。知識ばかりが増え続け、発見から3日目にはもうかゆさのあまり衰弱しはじめてしまいました(気分が)。

しかしここで光明が。散々、人に言うのもいややなぁと思ってたけどあまりの痒さについポロッと、ウィーン在住日本人/神戸っ子・ミチに自白してしまったところ、「あーそれ、あそこ行かなあかんわ」と、思いのほか気軽な感じで教えてくれた。
どうやら、こちらでは保健所関係機関にシラミ駆除専門の施設があるという。ミチ曰く、「プロのおっさんに毒入りシャンプーしてもらって、シラミつぶしに調べてもらう」らしい。おまけに最後に「何匹いました ぜんぶやっつけました」と告知もして頂けると言う。
まぁ幾匹お抱えしていたかと言う結果報告はあまり嬉しくないにせよ、プロが一回でやっつけてくれると言うならかなりマシではないか。

もう、かゆさとうっとおしさで発狂寸前!になりつつ、早速月曜日、幼稚園も語学学校も休んで駆け込むように行きました。シラミ駆除施設。
ミチのおぼろげな記憶通り、レンガ作りの古い工場跡地を内装だけ直した保健所系施設。そこから溢れるような人、人、人。誰もが眉間にシワを寄せて頭をポリポリ・・・と言うわけではなかったが、繁盛してる病院の待ち合いとはちょっと違った趣で、でもそこはかとなく一刻を争うムード。(争いたい私がそう見てるだけか?)しかしなんと、言われた時間に行ったにもかかわらず「今日はもうおしまい!」と言われてしまった。「ええ、何時に来ればいいの?」「7時から11時」「まだ9時半ですよ!」「知らないよ、今日はもう200人もやってんだ! 何でか知らんが今日は多いの!」みたいなことを言うおっさん。状況を理解するのに手間取る場違いな私とのやり取りを聞いていた何人かの人々も、その内容を聞いて落胆して帰って行った。私も「この痒さは限界だからどうにかしてくれ!」などとゴネることもできず、翌朝は7時キッカリに来てやると心に、そして香音に誓った。
しかしあの繁盛ぶり。もちろん裕福そうな人ばっかり、清潔そうな人ばっかり、です。
考えてみるに、我々オリエンタルの濃茶、鴉の濡れ葉色、要するに黒い毛に寄生してしまったおシラミ様、特にそのタマゴなんかは比較的見つけやすいと思うんだが、あの、色素薄すぎな白人、特にゲルマンたちの白金髪から見つけるのは結構大変なんじゃないか。だからこそこんなに駆除施設が繁盛・・・いやおシラミ様が蔓延してしまうのか? しかしそれでも我々より格段に髪の量が少ない彼等彼女等であるからして、チェックやお手入れはもっと簡単なのか? わからないことはわからないまま、この日(月曜)は大人しく退散し、他の用事を片付けて帰った。

(明日へ続く)