バイオリズムかバイオハザード

kaekae2005-11-25

 なんせ、はじまりが悪かった。

朝起きて、出掛けようとしたら大事なメールが来てたり、出掛けようとしたら失笑ものの電話がかかってきたり、出掛けようとしたら激烈な空腹感に見舞われたり。
電車に乗る前に、以前内橋さんと目をつけていた格安航空券を買い求めるため代理店に行く。12月の凱旋帰国の分である。が! なんと! そこの支店が数日前に閉鎖されていた! ぴんち! 明日改めて本店へ出向くしかないか・・・。
そうこうしているうちに、朝から某幼稚園のアドヴェントスパイラルに行くつもりが、到着時には総てが終わっていた。日本で知ってた、シュタイナー幼稚園の「りんごろうそくまつり」をそのまま想像してたので、午後はバザー♪と思ってた私がバカちゃんでした。カバちゃんじゃなく。
で、子どももおらぬ幼稚園で、片付けられたアドヴェントスパイラルの残骸を横目に、優しい先生とそこのシューレ手作りのケーキを香音と共に頂きました。ウィーンの中心をちょっと離れると、もう雪が積もりっぱなしでビビりましたが。
ここは個別のケアを必要とする子どもを少人数で預かるシュタイナー幼稚園。ここの先生はとても時間をかけて私たちに考えさせてくれる。今日で二回目の訪問だけど、何度でも訪れて、何度でもお茶飲んで話しましょうって。(しかもアイルランド人なので、英語も可である。)けど、「キンダガーテンでおまつり」と聞いてはり切ってきた香音が、子どもがひとりもいない現実を前に落胆、怒り、そして疲労。病み上がりなのでその疲労も激しく、かわいそうなことをした。


帰路、駅前の市場で夕飯の買い出しをして、張り切って帰宅するもなんと! なんとなんと!
いつもの尻のポケットに、ないじゃないか、鍵が鍵が! ガガガーーーーン。こちらのドアは、オートロックと言うには原始的な仕組みではあるが、一旦閉まったら内側からしか開けられないタイプである。トホホ・・・。
結局、ウィーンの内橋家保護観察官、YUKAさんにSOSして、エッケさんから鍵の110番に電話してもらう。名称はもちろん違うけども。うちのおもてのカフェで待つことにして、珈琲を。香音はココアを。幼稚園ではご機嫌ナナメの絶不調だった彼女であるが、ご近所カフェでのココアには満足だった模様で終始ご機嫌だったのは救いでした。やって来たのは初老の紳士。こちらではユニフォームの職人兄ちゃんとかではなく、一見ビジネスマンみたいな人が来るのね。アタッシュケース持って、上等のコート着てました。もちろん簡単に開けてくれたのだけど、高かった・・・。日本の相場はいくらぐらいなんだろう。今日は金曜。週末価格で99ユーロでした。高すぎて、日本円でいくらなんて書きたくない・・・。


以前、内橋さんが言ってた。むかしむかしハタチくらいの頃。バイトかなんかであるところに行こうと思ったら、途中で車が止まったかなんかで、公共の交通機関も無く金もなく、仕方ないので走り出したと。雨が降り出して過酷であったにもかかわらず、無心に走ったと。そしてなぜか、熟知してるはずの道を間違え、しかもなぜか、自動車専用の国道を逆の方角に向かってずぶぬれで走りに走ったと言う。さらになぜか、やっと逆方向であることに気づいてもまだ走って戻り、2,30キロはマラソンしたと言う。その間、必死だったとかでは決してなく、「な〜んにも考えてへんかってん」。そしてあとで、誰かにバイオリズムってやつを見てもらったら、その激走の日はめちゃ悪く、「思考力/判断力 共に0」だったらしい。その、バイオリズムってヤツをろくに知らんけども、それで言うなら今日の私はかなりイイ線行ってたと思う。バイオハザード級、とは言わんけど。


本日のお写真:アルゼンチンで見つけたグリコのおっさん。