忙しいわけでもないのに

しばらく書かないうちに、はてなの記事作成ページの機能が刷新されていた・・・。ナンジャコレ!?!?

5月は彦根女王陛下を皮切りに、各方面からの来客が続き、とりわけここ数日はルインズのあのドラマーと満足山のあのドラマーと言う、日本を代表する5大ドラマーのウチの二人が続け様に遊びに来訪。あんまりにも嬉し過ぎて香音は発熱してしまいました(真実)。

その間にkinseiさんを追ってDumb Type を追って、リュブリャナへ。素敵な街でした、リュブリャナ。その模様は「あっち」に書きかけておりますのでまたのちほど。

ほんとに発熱して休養中の香音さんですが、発熱直前にアンビュラトリウムに行ってきました。「なんじゃそれ?」行ってみてわかったのですがいわば「療育施設」ですか。日本のどこにでもある小児科医院みたいな待合室の奥に“先生方”の個室があって、日本でいうところの「O.T.」的なことをやってくれる。9月からの小学校の先生にご手配頂きこちらを訪れた我々でありましたが、保険問題をクリアできていないので今回は実費負担しつつセラピストに香音と面会して頂き、基本的情報を伝えた上でカルテだけ作って頂きました。こっちの国民保険を申請して半年は待たされるということが発覚し、ここでのサービス(セラピー)を受けるのは先送りになってしまったが、専門医によって的確なアドヴァイスが学校へフィードバックされ、学校で(無料で)受けられるサービスを指示してくれることに。テキパキしていて、非常に的確な洞察力を感じさせるセラピストに安心しつつ、その効率の良さに関心。日本でも、この手の施設で“専門家”にお会いし、発達状態をチェックされご指示を仰ぐ、と言うことは何度か体験しているんだけども、某市各所でのそれらはいつも、なんというか、効率が悪いと言うか、見ていて何とも不本意な、マドロッコしいものだった。あえてそっちを描写しないけども、それに比すれば当地のこの度は敏速かつ的確。セラピストはまず香音に上着とズボンと靴下を脱がせ、体重と身長を測る。身軽になったところで片足立ちをさせてみたり段の上り下りをさせたり目をつぶって鼻を触る、など簡単な指示を出してどれだけできるかなどを次々とチェックしてゆく。合間に私たちに生育歴を聴いたりしつつ、それらがササッササッとこなされていくんだけど、驚くほどその手際がいい。子どもを飽きさせず、迷わせない。短い時間の接触で、子どもの特質を見逃さない。私たちは問われたことを答えていれば、特に補足の必要を感じない。「カノンは〜〜ですね」という“証言”も、マトを得ていて頷ける。何度かこう言った面会をしてきたけど、最後まで香音が飽きたり疲れてイラついたりしなかったのははじめてだった。もちろん、本人の成熟もあるんだけど、それだけではないのはよくわかった。
医療は日々進歩しているので、改めて組織検査などをすれば新たな“原因”が見つかるかもしれないし、“今後の参考”にもなるかもしれないのでまた検査を受けてみてはどうか、という助言は保留しておくとして、「カノンはかしこい子ですね。きっと多くのことを学んで、多くのことができるようになります」という言葉はやはり嬉しい。こちらへ来て、そして公立校のスタッフと接する中で、何度か言われたことなんだけど、日本ではなかなか。こういうことを言うには、日本人は慎重なんだろうか。発達の専門家、としてこう言うことを軽はずみに口にできない、というのだろうか。言われたからと言って、あの専門家が保証したなんて思わないのに。どんなに小さな進歩でも感動するくらい大喜びしてる親たちが、「先生はあぁ言ったのになんだよ、大して伸びないじゃないか」なんて言うワケないのに。こんな、無責任な希望的観測であっても、そこに暖かいまなざしと優しいこころが感じられたら、それだけで気持が安らぐのに。それだけで、すごくいいのに。


そうそう、日々、言葉や会話に豊かな表情が増え、できないことを少しずつやってみたりしてる健気な香音さんですが、ようやくトイレを自分でちゃんと行けるようになってきました。これまでトイレ事情については、もっとも我々が手を焼き困惑していたものですが、なんとなく彼女のプライバシーという気がするのでココでも書かないようにしてたんだけど、そろそろ落ち着いてきました。家のトイレならひとりで勝手に行って、ひと通り自分で済ませるようになってきました。朝も、起きて静かにひとりで小走りに行っております。この“小走りに”っていうのが、見ていてほんとにほのぼのします。微笑ましい。大進歩です。しかしここまで長かったー! 人間、シモの始末が自分でできるように成るというのはおっきいですね! なんとなく、我々も深層心理での彼女へのリスペクトが増した気がする。そして彼女の中でも、“自分”という世界がまた、深まったんじゃないかと、思ったりもする。