フォシューレ、終了。

 きのうの木曜は3時間、そして最終日の今日は1時間だけのとうこうということで、4ヶ月通ったフォシューレの日々が満了しました。
日本のように学校全体で式典があるワケでもなく、節目っぽさがあるのかなんなのかまったく様子が分からないまま、今朝はやたらと寒かった。きのう一日雨が降ったからですね。

デジカメの、特にバッテリーの調子が悪いので、ろくに写真を撮れそうもないのだけれど、それでも祖国の応援団とそして忙殺される可哀想なおとーちゃんのため、カメラを携えいざ学校へ。

その「一時間」を過ごすため、クラスメイトのお母ちゃんと珈琲を飲みに行き、あまりに寒いので半時間で退散し、まだ時間があったのでわたしは2階のフラウ・バウアーと校長先生のもとへ挨拶に行くことにした。
フラウ・バウアーはまことに残念ながらご不在だったのだが、校長先生は相変わらず個室のドアを開けて大きな声で誰かとお話ししている。訪問者が帰られたところで顔を出すと笑顔で迎え入れて下さる。一言お礼を言いたくてきました。素晴らしい4ヶ月でした。そして次ぎの新学期もとても楽しみにしています。本当にありがとうございました。と言うと、ガシッと握手して「ありがとう、ありがとう。ペテルスガッセのあのクラスでも、きっとカノンは素晴らしい時間が待っています。あそこは居心地よく、とてもいい場所です。うちの学校には無いおだやかさがあります。きっと素晴らしいです」と、いつもより穏やかな、語り方で言ってくれた。

教室から飛び出してきた子どもたちの手には、“スーパーボール”と“終了書”と、そして先生が手作りしてくれた「わたしのさいしょのがっこうのいちねん」と書いたアルバムがあった。しばらく廊下でご挨拶したり写真を撮ったりしていた。香音はと言うと、お友達タに一緒に写真を撮ろうよと声をかけたり、なんやかやとすっかり“クラスの子”と言う雰囲気に成っていて、やはりそれはとっても嬉しかった。いちばんの仲良しに成ったルイザちゃんといっぱい写真を撮って、そのあと3組の母子で「ケーキでも食べに行きましょう」と言うことになった。ケーキ屋さんでは、みんなでアイスティを頼んで、子どもたちはそれぞれケーキを選んだ。香音はイチゴのムースのケーキを選んでいて、大好きなルイザちゃんと並んで食べていた。ルイザはここでも、バスに一緒に乗った時と同じように、香音に隣に座るように誘ってくれる。お話がちょっと上手くできない子で、そしてとってもおっとりしているので、香音とペースが合うのだろうか。たいして言葉を交わしてないけど、笑いあったり一緒にいると言うことを、とても楽し気にしているのを見るのはほんとに嬉しい。
こんどの日曜はPraterで子ども向けのイベントがあるらしく、ルイザちゃんたちとそこで天気が良ければ会いましょう、と言うことになった。「また日曜に!」と、次の日のことを約束しながら別れるのはいいものだ。




午後はこちらで申し込む保険のことで大変バタバタした。
香音を連れて、急遽ヘルゲに会いに彼のいるインスティテューションまで出向く。ヘルゲは体調が悪いのに忙しそうで申し訳なかったんだけど、いろいろ電話したりネットで調べてくれた。
新しくやらなければいけないこととか、それに付随する心配ごとなどがまたあって、帰宅してほんとにドッと疲れた。


でも香音は出先で待たされてる時もずっと約束を守り、歩き回っていたけどイイ子にしていた。ヘルゲの職場の女の人が、邪魔せずイイ子にして待ってるもんだからアメをくれたりオレンジジュースを入れてくれたり、挙げ句に膝に抱きかかえてネットで動物の動画を見せてくれたりしていた。
帰ってから、くたびれてテンション下がる私の横で、「まま、ねむいの? ねていいよ」とか言いながらも、ずっとひとりで遊んでいた。独りゴト言ったりしながら本とたわむれる。知名定男のCDを自分でかけて「おじいさんのおうた〜♪」とか言って喜んでる。
そして学校で貰ってきた手作りのアルバムをこよなく愛して、「まま、ねるとき この本 いっしょにみよう!」と何度も私に約束させた。ベッドに入り、並んで寝そべって一枚一枚丁寧に写真を見ながらフォアシューレの話をすると、本当に嬉しそうだった。

明日から長い長い夏休みがはじまる。