「がっこうにいきたいの」

 金曜です。朝から鼻は垂らしておりますが、本人たっての希望でご登校。「がっこうにいきたい」んだって。切々と訴えられ、新学期早々だし、これから週末挟んであんまり日があくのもヤだわと思い、鼻水を自分でちゃんとふくのよと両ポッケにティッシュを仕込んでご登校。

フォシューレでとっても仲良しになったけど小学校は別々になってしまったルイザちゃんと今朝もバスで会える。ほんの5分ほどだけど、毎朝会えるのは良いことかもしれない。フォシューレに通ったおかげで、朝の登校どきに通りで挨拶をすることが何度もあって、それはなかなか気持ちがいい。バス停から一緒のアレキサンダー君と登校するのも日課になりつつあって、10分ほどの登校はにぎやか。
火曜に早退してから休んでいたので、数日ぶりの学校が嬉しい香音。先生たちも「もう大丈夫?」と満面の笑顔で迎えてくださる。火曜に靴下を汚してしまったので、クラスのロマーナちゃんの着替えをお借りしていた。きのうそのお礼にと、日本から送ってもらった折り紙で小さい扇子と箱を折ったんだけど、香音はそれを渡すのを楽しみにしていた。折り紙の箱の中に折り紙の扇子。香音の手のひらに載るほど小さい贈り物を、洗った靴下と一緒に嬉しそうに「ダンケ、ダスイス、ゲシェンク!」なんて言いながら差し出した。ロマーナちゃんはニッコリ受け取って中を見て、小さい扇子であおぐふりなんかして喜んでくれた。こういう時折り紙はとっても重宝する。ネットで“レシピ”を探してちょっとがんばると、簡単に「手作りの小さな贈りもの」になるからだ。借りた物にお礼を添える、というのはこちらでは日本ほど意識されないから、たいていは洗いざらしでガサッと袋に入れて返されたり、下手すると洗いもせずに返されることすらあるし(苦笑)、逆にきちんと洗ってたたんで返してもぐっしゃ〜と鞄に突っ込まれることもあったり(涙)。けど、折り鶴を添えたりなんかすると、ほんとにちょっとしたことで、“気持ち”が伝わったりするから日本文化も捨てたもんじゃない(笑)。

このクラスはモンテッソーリ式で各個人がカリキュラムを立てて学習計画するんだけど、モンテッソーリであるということが主眼というわけではないので、町田の幼稚園なんかに比べると随分のんびり気楽な雰囲気。朝登校してすぐは、子ども達は教室の中で先生と話したり友達同士で遊んだりして大変リラックス。ベルが鳴ってもほとんどそのまま。先生は親と話すことがあるとニコやかに立ち話している。その立ち話に子どもが加わることもあるし、もちろん冗談もたくさん飛び交っている。こんなクラスは学校でここだけで、ほかのクラスは8時前にはみんな慌てて教室に駆けて行ってるし、8時のベルと同時に廊下は空っぽになる。でも香音のクラスはまだまだ和んでいる。このあとどんな一日を過ごすのか次回のオープンスクールの日に見学するのはほんとに楽しみだけど、ストレスがなくとっても居心地が良いのは子ども達を見ているとホントによくわかる。

きのう、八百屋さんに「お腹の調子が悪いときは、果物はバナナだけにするんだよ」と教えられ、今日のヤウゼ(おやつの時間が金曜は特別で、子ども達がメニューを相談し買い物にゆき時には調理したりして皆で食べる)に買物当番のお友達にバナナをリクエストすると決めた香音は、朝からそれが楽しみで仕方なくって、朝食にバナナ食べる?と訊いても「お友達がヤウゼに買ってきてくれるから今はいいの」と拒否。お友達が選んでくれるバナナで、ビタミン補給してちょーだい。