香音とドイツ語

 朝、遅く起きて朝市に行く。市場ではエッケと遭遇し、可笑しかったのは香音がエッケを「おうちにきて!」と誘っていた。まったく、30余り年上の紳士を友達扱いである。あとから私に「エッケさんに、おうちに来てといった」「エッケさんはなんて言ったの?」「“うちにかえらないと、いけない”だって」間合いがエッケの日本語癖とよく似ていて笑えた。

うちでダラダラしてると、エッケさん来宅。香音に“はっぴいえんど”のCD、わたしにワインの手みやげ。そのツボの抑え具合(笑)。
もちろん香音は“はっぴいえんど”に心奪われ、ふらふらと踊りながら聴いていた。
RCサクセションのベストもエッケから借りているものだけど、この二枚組とともに毎日交代で朝から聴いてるのが独語の朗読CD。これをもう数えきれないくらい、毎日何度も聴くし毎日毎日聴いている。幼児教育としての是非としてはまぁしらんが、独語習得には、ね。
このお気に入りの物語、おじさんの朗読でBGMや効果音は一切無い。それは聴いてみてわかったことで買う前は不明だったので、ラッキーだった。それにしても何度も何度もよく聴く。おじさんがちょっと声色を使ったり、声を張り上げるところなどをわからないなりに面白がってるのかな、とか思っていたら、今日なんと、いきなり一部のストーリーを私に説明しはじめた。リーアとベルティはきょうだい、リーアとベルティはおかあさんのおたんじょう日におはなをあげるんだよ おはなをとるの ケーキにひをつけるよ…etc. 長い長い物語の一部分だけど、でもわたしはまったく気づかなかったエピソードである。聴いてたんだなぁ…と大変感心する。

ドイツ語の単語の名前が満載の絵本を一緒に見ると、結構な単語名を覚えはじめていたりもする。頭の中で、日本語の部屋とドイツ語の部屋があって、その間の壁はドアとしてはまだまだ未発達、という様子ではあるが、それぞれの部屋はすでにかなり背景ができはじめているという感じかな。
また逆に先日は、夕飯のパスタをソースなしで食べたいと言い出したことがあり、その時私がそれはダメと言うと「えぇー パスタヌアがいい」と言った。ヌアとはnur、英語で言うならonlyのこと。語順では“パスタだけがいい”の“だけ”と置き換えてるのね。微笑ましかったけど、これを“普通”にしてしまったらあとあと困ると思い、「パスタだけがいいの? それはだめだよ」と言い直しておく。
彼女の習得ぶりが遅いのか早いのか知らないけど、その過程を見てるのはほんとに面白い。また報告します。