やったよ、やりましたよ(涙)

kaekae2006-11-11

 泣くことはないんですが、やりました、やけくそ全員ご招待級の宴会。
子どもはのべ25人、大人は30人を超えました。がはは。それでも、来るつもりが諸々事情で来れなかった人が何人もあったくらいでした。やりました、やりましたよ。

前日の金曜から片付けと買い出しで奔走。
パーティとなると子ども達は遊びに夢中になるので、じゃあワッフルでも焼いてあげようとまずワッフルトースターを買いに。家庭用綿菓子機にかなり惹かれるがこれは我慢(笑)。部屋の飾り付けのもの、食材の買い出しそのドタバタにプレゼント。子ども達への手みやげにするおやつには、京都からおばあちゃんが送ってくれた小袋の日本のおやつを用意できるんだけど、それに少し加えるキャンディやチョコレートは下校後の香音と買いに行く。
前夜のうちに、特製インドカレーを仕込む。
内橋さんは、最近我々が使うことになった一番奥の部屋を片付け、がらんとした遊べる部屋に用意。4メートルある天井から紙テープを雨のようにぶら下げ始めた。その様子はブリッヂで行われたスピーカーインスタレーション『Pool#2』みたいだった。
翌朝からは更に買い出し。行きつけの市場の八百屋さんにお願いしいておいた野菜と果物、週末だけ出る朝市ではジュースやソーセージを買い集め、そしてこの朝市で最も美味しい、人に言わせるとウィーン一美味しい(!)おばちゃんに注文したバースデイケーキをもらいに。とっても素朴なチョコレートケーキだったけど、ドイツ語でちゃんと「8才のお誕生日おめでとう カノン」と書いてくれていた。
私が料理をしている間に内橋さんが掃除をちゃっちゃかやってくれたので、準備は随分ラクになり、不安がどんどん減ってゆく。そうしたところへ助っ人、日本人留学生のお兄ちゃんお姉ちゃん達が到着しはじめた。私達よりすこぶる達者なドイツ語と若さで、子ども達を見てやって欲しいとお願いしていたのだ。
いやもうこれ万全、最強とか思いはじめたところへ続々と子ども達が到着しはじめた。

学校のクラスの年上の男の子がちょうど誕生日だったので来れない子もいたけど、それでもたくさんの子達が集まってくれた。しかも、担任の先生二人と非常勤の先生もきちんと来てくれて感激。非常勤のウーシィは金曜日、体調不良で学校を休んだらしいんだけど、それでもちょっとだけ、と顔を出しに来てくれた。
しかしまずここで大問題。進行。進行を決めていなかったのだ。
送って来た親達は、子どもを送り込んで「さて何時に迎えに来ましょうか?」と口々に問う。
こっちとしては、“カノンのパパの誕生日パーティも兼ねるので、どうぞゆっくりしてってください、もしくは、お迎えに好きな時に来て、よかったらゆっくりしてってください、こちらは夜更けまで宴会続けますから”という感じなんだけど、この適当加減が伝わらない(大苦笑)。去年の誕生会は逆に、時間をハッキリ明記したんだけど、結局迎えに来た大人も子どももゆっくりしまくって2時間ぐらいオーバーしてったので、今年はハナからそのつもりでさえいたんだけど、どうやらそうもいかんのか…。

まったく予想していなかった設問にしどろもどろして、どんどん人は増えるし玄関口に恐ろしく人がたまりはじめたのでひゃ〜参った!と思考停止しそうになってたら、助っ人団に紛れ込んでいたYUKAさんちの長男、タケミくんが心配そうに会話を助けようと寄って来て、「じゃあもう、6時とか言っちゃえば?」なんてアドバイスしてくれる(涙)。大いに反省と学習を噛みしめながら宴会突入。
しかし親が帰ったら子ども達は勝手にどんどん遊びはじめた。200個くらい用意した風船がいっぱいの奥の部屋はやはり子ども達に評判良く、奥では大はしゃぎの歓声がぎゃあぎゃあ聞こえる。特に禁止しなかったのでやはりプレゼントもたくさん集まってしまったんだけども、リビングではお世話好きな女の子達に手伝ってもらいながら、香音が次々にプレゼントを拝見している。走り回りやすい間取りなのか、元気な子達はただ黙々と追っかけっこをして延々走り回っている。
なんか放っておいても大丈夫かも、とやっとホッとした頃、先生がお帰りになると言うので「では…」とバースデイケーキの出番である。

去年はハッピバースデイの歌を唄ってもらったら、その途端感激のあまり泣き出してしまった香音であったが、今年は神妙にしつつ、取り敢えず泣かずにすむ。
大きなケーキに立てられたろうそくを一気に吹き消すことができず、周りを囲んだお友達みんなで吹き消す。
おばちゃんのケーキはたいそう美味しくって、あっという間になくなってしまった。おかわりしている大人さえ発見した。
今回はYUKAさんがベイクドケーキ、ビリーがティラミスを作って来てくれて、それらもかなりたっぷりあったというのに結局すっかりみんなで平らげた。
あんなに大きなケーキを焼いて来てくださるなんて、それだけで心意気にすでに感激なのに、美味しさに更に感激であった。

甘いものと言えば、思いつきで用意したワッフルトースターだが、肝心のレシピがない! いや探せばきっとあるんだけど、ネットなどで探さにゃならん。
と言う訳で、女子だと言うだけの理由で助っ人学生団のまめちゃんとアルト・ノリコちゃんに押しつけが、あとから考えるとこれはジェンダー問題的にアウトであったと反省した(苦笑)。
しかしこのワッフルも、まめちゃんノリコちゃんの手を煩わせた甲斐もあってあっという間に完食。大好評でした。ふたりは宴会の間中、テンテコマイの私にあれが足りないから買ってきましょう、これはこうしましょう、とたいへん助けて下さった。スタッフに恵まれるのはどこへ行っても同じか。幸せ家族な私たち。
ワッフルはふとした思いつきでしたが、子ども達にはヒットしました。「あの子が誰々を泣かせたのよ」なんて真剣な顔で報告に来る子が口の端にチョコレートソースをぺっちょり付けたままにしてたのは、なんど思い出しても可愛いらしかった。うっとり。

助っ人団の兄貴、テッペイくんもタケミくんも、奥の部屋の大暴れ大会をよく見てくれていた。あとから思うと、飲み食いろくにしないで身体を張ってくれていたろうにと心が痛みました。というのは、意外にも男の子同士がエキサイトし過ぎていたのだった。クラスメイトだけど、どうも衝突しがちな組み合わせが居るらしい。男の子も女の子も、一生懸命止めに入る子達ばかりなのでそれは実に美しかったけど、頭に血が上ってる子達は本気で怒ったり悔しがったりしてたからそれはほんと、心が痛んだ。いちばん乱暴な子は実は一年生で、私はずーーーっと甘えん坊のスィートな男の子だなって思ってた子で、香音とふたりでも楽しげに遊ぶ子だから実はかなり意外だったし驚いた。
そして、おもちゃの取り合いか何かでどうしてもその子が叱られなくちゃいけない場面があったんだけど、その時暴れる彼を抑えようとする内橋さんに向かって、香音が泣きそうになって「ぱぱやめて!」と叫んだ。香音の目には、彼はわがままな子でも横暴な子でも何でもなく、優しくて楽しい彼なんだな、と痛感した。あ、でも、それよりあとにその子と香音が遊んでる最中なんかあって、香音がその子の顔をペシッとやったみたいだった(苦笑)。他の子の報告を受けたので行ってみたら、叩かれた彼はちょっと半べそだったけど他の子達が「まぁ、こどものことだから」と言って取りなしてくれたのが笑えた。

クラスは年齢の異なる子達が一緒なので小さい子も大きい子もいる訳だけど、けんかの仲裁やなぐさめ方なんかを見ていると、そこはかとなく仲間なんだなぁと感じるところもあって、それは凄く嬉しかった。とはいえ、男の子同士って、ストレスとその発散が随分女の子とは違うので難しく思えたし、大変だなぁと途方に暮れた。


そんな男社会の原型を垣間見つつ、ギャル達は終始楽しそうに遊んでいた。香音はしょっちゅう誰かに「カノン、こっちおいで!」と呼ばれたり構われたりして、とっても楽しそうにしていた。予想を超えて、可愛がられてるのが感じられて、ほんとに安心した。あとでつくづく思ったけど、入学して以来、わたしは日常の細かいことを気にしたり心配したりしなくてよくなって、ただただ風邪をひかないように、元気に毎日登校できるように、気持ちよく登校させて、良い気分で明日に備えられるように、それだけ徹底していてあげれば良い。それだけに集中していれば良いという案配になって、ほんとうにらくになった。あり難いことではないか。

ひとり、フォシューレで仲良くなったルイーザちゃんが来てくれていたんだけど、彼女はあまりうまく話せない、静かでおっとりした子なので時折寂しそうにしていたんだけど、ちょくちょく香音が何する訳でもないけどそばに寄って笑顔を交わしていたのも素敵だった。他の子達にお迎えが来る頃、ドアのそばでママを待ったりしていてちょっと心が痛んでいたら、なんと助っ人団のもうひとりの「のりこちゃん」が秘密兵器を取り出し、それでルイザのハートをゲットしてしまった。ルイザだけじゃなく、そこいらのお嬢ちゃん達みんなだ。その秘密兵器は何を隠そうアレである。あれ。あやとり。のりこちゃんのあやとりの妙技は、瞬く間にお嬢ちゃん達を魅了し、人だかりを作りさえしていた。ありがとう、のりこちゃん、ありがとう、日本の技。


夜になって、子ども達はぐんと減り、入れ替わりに大きなお友達w、我々の友人たちがやってきた。
この季節、ミュージシャン連中は随分忙しいみたいで「その日はウィーンにいないんだ」と言う人も多かったけど、それでもたくさんの友達が集まってくれた。内橋さんは飲み過ぎてダウンしないように、懸命にペースを抑えつつたまに洗いものなどしてくれていた。他の子のお誕生会に行ってた子なんかも夜になってから来てくれたりして、まだまだ賑やかだったけど、食べ物がめちゃ余ったりめちゃ足りなかったりしたらどうしようかとそればかり心配していた。差し入れもあって飢餓と飽食だけはまぬがれたようだったけど、一日大活躍してくれた学生助っ人団が物足りなくなかったかだけちょっと心配でした。大丈夫だったかなぁ。


結局最後の最後に残ったのはミチで、夜中の3時に内橋さんと三人で残っていたカレーの残骸を食べた。関西弁で馬鹿話しながらもう喰えない、もう飲めないと言いながらねばりにねばっていたのは、終幕としてはおだやかで滑稽で、可笑しかった…。



来てくれた人たちみんな、ほんとにありがとう。楽しかったし、嬉しかったです。
香音も内橋さんも、ほんとに喜んでいました。良い日になりました。
手伝ってくれた学生団とYUKA家、また誕生日パーティの打ち上げでもしましょう(笑)。


p.s.
特製アルバムは50枚近く集まって、素敵なものになりました。もちろん香音も大喜びです。
この日の写真もあとで加えるし、まだまだ受け付けるのでどうぞ!w