トモダチ☆トモダチ

22日の金曜は 日暮里の親友はるなとウィーンの親友ビリーが、地球のあっちとこっちでお誕生日であった。
はるなのところへは内橋さんが参上し、晩ご飯をご一緒したと言う。行けなくって残念。一方ウィーンでは、朝から私はビリーと買い出しに出かけていた。

というのは、ビリーとディータのおうちで今宵宴会が催される上、24日は少人数でウィーン料理、ロースト豚を焼こうぜと言う企画が持ち上がったからだ。
今学期最後の登校に香音を送り、そのままカフェでクラスメイトのママのアグネスと珈琲をご一緒し、別れてこんどはビリー宅へ。
ディータは南ドイツにアナログ盤のカッティングマシンを買いに行き、昨夜戻ったところで体調を崩していて顔色がすぐれない。いつもより数センチ小さく見える彼をアパートに残し、ビリーと近所の肉屋を襲撃し、その後スーパーをはしごする。ちょっと久しぶりだったのでおしゃべりが楽しい。
何度かスーパーとアパートを行ったり来たりして、昼下がりに一旦バイバイする。
今学期はもう終わり。今夜はパーティで明日からお休み…そう思うとなんだかぎゃーとかわぁーとか叫びたくなるくらい開放感いっぱい。
一年生の一学期が終わったんだもんなぁ、特に風邪も引かず休みを迎えられて、なんてめでたいんでしょうか。

さて、学期最後の日、香音たちは学校からすぐそばに住むクセーニャちゃんのお母さんがクラス全体を招いてキンダープンシュと焼き栗をごちそうしてくださったそうです。いいなぁー。その後いつもより早くお迎えで、香音はいつも通りホルトへ。
ビリーとの買い物を済ませてホルトへお迎えに行くと、いつもより子どもはちょっと少なくて、そして樹木希林似のシスター・ブランカといつもより丁寧に「クリスマスおめでとう、良いお年をお迎えください」の挨拶をして出た。

明日からしばらくお休み、と言うと香音はなんとも寂しくなった様で、夜のパーティのためにちょっと寝ておこうとベッドに入らせると「なんかさみしい…」と泣き出してしまった。なだめすかして寝させると、なんと時間すっかり寝込んでしまう。
その間に私はおにぎりを。鉄鍋でご飯を炊いて、その合間にプレゼントを包んで。


ところで今週は 年末にやっておくべき手続き関係などで忙しかったが、その合間の水曜、クラスの一年生仲間、エリアス君宅に遊びに行った。エリアス君は学校から凄く近くって、そして比較的新しい建物にお住まい。しかもこの9月から住みだしたということで、住まいは随分美しい。ひぇー清潔ですね!なんて言いながら子どもたちが遊ぶのをチラ見しつつおしゃべり。同じく一年生のヨシュア君母子も招かれていて、ヨシュアのママと私は出された手作りのクッキーやおやつに驚嘆してめちゃくちゃ食べ過ぎるのであった。いや、エリアスのママのはめちゃくちゃ美味しい。どれもこれも物凄く美味しくって、ほんとにビックリした。
この時期、どうやらどのご家庭でもクリスマス用にクッキーを各種焼くらしい。山ほど焼いて、毎日毎日食べ続けるのだ。お客さんが来ても必ずそれらは出されるから、ある意味おせち料理みたいだ。もちろん、自分で焼かない人もいる訳で、市場やマーケットではこの季節独特、クリスマスっぽさ満載のおやつも山ほど売り出され、もちろんホームメイド、手作り風のも手に入る。うちは作ってないけれど、でも頂き物がそこそこあります。
エリアス君もヨシュア君もクラスの一年生仲間であるが、腕白なれどどちらも優しい(そして可愛い)。香音と彼らの他に一年生は3人、合計6人いるのだけれど、どの子もいつも香音を気にかけ、楽しんでくれる。他の学年のクラスメイトももちろんそうだけど、一年生仲間が優しい子達でほんとにヨカッタとホッとしている。面白いことに、この6人の中で、女の子ひとりともう一人の男の子マックス君は2年生に親友ができて、それぞれとっても仲良くしている。残りの男の子3人はケンカしつつ仲良くしてるんだけど、親達は“この年頃に3人というのは難しいものだ”と思っている様で、実際よく衝突している。そんな中で三人が何かと誘うのが香音で、どうやら4人目のトボけた女の子、というのは緩衝剤として役に立っているようだ。お母さん達がそこに気づいていて、「香音が居ると、皆のために良いのよ」と言ってくださるのだった。


一方大人の友達、ビリーのお誕生会(笑)。
20人余りいただろうか、大体は顔見知りの人ばかりとなって、もう何度も来ているココんちの宴会も、ほんとに気楽になったというものである…と、いちばん感じているのは香音かもしれない。というほど、到着早々みんなに挨拶し、新しい来客が来ると駆けつけ名乗り、名前を聞いていた(笑)。中でも、バロックフルート奏者のアンゲリカとはすっかり仲良くなって、ことあるごとにハイタッチで挨拶している。メキシコ出身でラテン式クールネスを誇る彼女は香音にとって心地いいのかもしれない。
っていうか、ココに集うような不良な大人たちはたいがいにして、コドモに“○○ちゃ〜ん♪”的なノリで接することは決してない。ああ、そんなところで育ってしまったからだろうか、香音はそういう「しゅてきでちゅね〜」なおじさんやおばさんに、時々物凄く失礼かもしれない…。などという心配も無用に、香音はディータやビリーのアメコミを貪り眺めたり、気が向いた人とちょっとおしゃべりしたり食べ物や飲み物を分けてもらったりしていた。

久しぶりのブルクハルトも元気そうで、ベルリンで会った以来のクラウスもお元気そうであった。
と、いうところで、1月2日は我が家で“日本の正月料理を食す会”と相成りました。といっても大したことはできないので、“雑煮会”です。芋と餅を白みそで炊けば良いでしょうか、お母さん…。


4時間の仮眠のお陰で真夜中まで元気だった香音でしたが、わたしがもう眠くなってきたので深夜に帰宅。
同方向のシルヴィアを連れて帰るにも、“あと5分ね”と言われ言われて小一時間(笑)。帰りのタクシーで内緒話を聞いたりしつつ(秘)、楽しい夜は長かった。冬至だったから。



だから土曜は 寝て暮らすんだ…と思っていたら、お昼頃に電話が鳴った。
ヨシュアのママ、ダニィ。土曜の午後は公園で合流して、ヨシュア君のおうちに遊びに行った。地元の公立校に行くと便利だなぁいいなぁと実感できることに、“お友達のお宅”が近いのね(笑)。私立の幼稚園しか知らなかった我々にはこれは新鮮。ダニィも先日息子と一緒にクリスマスのクッキーを作っていたようで、またそれが美味しくって。ダニィたちが作ったのはヴァニラキップフェルって奴で、三日月型でヴァニラ味の粉砂糖がまぶされたクッキー。甘さが微妙に控えめで美味しい。香音もこれが一番好きみたいで、ダニィが“来年は一緒に作りましょう”と言ってくれました。わーい。
子どもたちを遊ばせて、時には大人も一緒に遊んで、わいわい過ごして最後にはピザも食べてワインも飲んで、夜になったら公園でロケット花火まで(!)。年末にもう一度、この時期にウィーンのあちこちに出ている夜市に行ってみようと約束して解散。



はい、そして日曜は クリスマスイブですね。
先んじて金曜の宴会中、香音はディータに手伝ってもらって、ある“お手紙”を書いた。クリストキンドへのお手紙。
オーストリアではサンタクロースの出張は無く(その出自と言われる聖ニコラウス、という爺様は12月6日だかにプレゼント持ってやってくるらしい)、当地ではクリストキンドというのが贈り物を持ってきてくれると言う。
もともと、サンタさんもイマイチアテにしてない物欲に欠ける香音である。ま、いっか、今年の誕生会でたくさんモノ貰ってるしな、とか思っていたら、やはり学校での話題も理解してのことか、クリストキンドのことを意識しはじめた模様。試しに何が欲しいか聞いてみると、縦笛が欲しいと言う。クリスマス会でお友達たちが合奏していたし、しかも最近のお気に入りのバンドがPOPO(ポポ)なのね。担任のドリスに聞いてみたら、“ちょうど良いじゃないですか!”と言われるし、慌てて先日買いに行った。
で、サンタさんへのお手紙は、各家庭に寄って処遇が違うと思われるが、やはりゲルマン系、何事も論理的に運ばせたいのは子どもの頃からそうであったか、“お手紙は窓に貼る”“クリストキンドは窓から来るので、窓をちょっとだけ開けておく”のだそうだ。
と、いうことで、香音は金曜の夜更けにディータに手伝ってもらって、クリストキンドへのお手紙を書き上げた。
夜のうちにキッチンに貼って、朝そのお手紙が無くなってるのを見た香音、「まま、おてがみ、おちちゃったみたいよ」という。落ちてないのを見せて、「うわぁ、ほんとにきたね!」と言ってやると、なんとも不思議なそうな顔をしていた。
そんな訳で、本日はビリーとディータ宅でロースト豚を焼く宴会に行ってきます。豚の焼き方、習ってきます。
ふたりの計らいで今宵はお泊まりです。わーいわい。すでにお預けしてある“贈り物”どんな演出で出てくるか、楽しみでございます。