イヤーなこともあったけど、イイこともありました。特大。

 携帯電話を獲得しました。

先日、新年早々使っていた携帯が水没! しばらく電話ナシの生活(うちは家電話もない)という有様が続き、困り果ててこのたび、長らく使ったプリペイド携帯を番号温存で一般携帯電話に移行!と決心しました。最近YUKAさんに紹介してもらったタンデムレッスン(ドイツ語と日本語の交換授業)のパートナー、書き初めも楽しんだアンディ君が二つ返事でお店に一緒に来てくれました。エルニーニョ現象後のやたら寒い午後、連れ立って近所の携帯会社直営店に出向いたんだけどこれが大変でした。

こちらへ来てすぐ、プリペイドの携帯を持ってたんですが、このたび一人前に、普通の携帯に。しかしこれが難関でした。
一年前に二社トライして承認されなかったのですが、外国人は本人の収入証明が必要ということでした。当時は来てすぐだったし銀行口座も最低限しか使ってなかったので、審査が厳しかった模様。それから一年、銀行口座もそこそこ運用してるし、ヴィザも更新してるし、前のより格上の預金口座(ちゃんと説明できないが、当座預金にもいろいろある模様)も開いたし、プリペイド携帯も1年半使ってきた顧客だし…と、心配しつつ申し込み。
ところが、すべての手続きをしてサインもしてさぁ…というところで、本社から審査の返答があったのか「書類をあと三つ追加してください」とのこと。
追加、ということは、通常だと請求しない書類なのですね。「その三つが揃ったらOKなので、電話は予約として預かりますので、用意でき次第持ってきてください」とのこと…。
店を出て、アンディ君が申し訳なさそうに説明する。必要なのは住民票、滞在許可書、そして給与証明。がーん。ありません。給料が無いので給与証明、ありません。
「自営だからないよね…」と困り果てると、じゃあそう言ってみよう、とアンディはまたお店に戻ってくれました。しかし、返答は「収入を証明する何かを」と、基本路線踏襲。
道ばたで半ば途方に暮れつつふたり検討するも、得策思いつかず。定期的な収入の無い自営者はおそらく、年間の納税証明が代替書類として通るのだけど、あたくし自慢じゃないけど扶養家族だし(泣)…。内橋さんが帰ってきたらやっぱり彼に申し込んでもらうしかないかぁ、しかしそれまでどうしよう…。
あれこれ相談してる間、時々アンディは「しかしこれは納得いかない」「ひどいなぁ」と自分のことのように手続きの猥雑さを怒ってくれる。そして、取り敢えずプリペイドだけでも復活させるしかないな、でも今のは故障してるし新規じゃないとカードを買うだけじゃ0円の電話もらえないよな、となると、次々に家族や友達で機種替えした人に「古いのをまだ使えるなら貸してくれない?」と電話してくれる。(こんな状況なので、その電話代すら恐縮しまくりだ)結局ひとり、快諾してくれた友達をゲットしたけど、さっきの予約状態を取り消さないといけない。
と言うのは、ここではプリペイドから本式携帯に移行する場合まずプリペイドの残り額が24時間有効でそのあと手続き無しで自動的に契約が変わる、という大変プラクティシュな
設定になっていたりする。その手配がどこまで進んでいるかわからないから、いずれにせよ変更申し込みを取り消しに行かなくちゃいけない…。ああややこしい! 

…というところで香音をお迎えに行くタイムリミットだったのだけど、アンディが「いやもう、こうしよう、僕がプリペイド携帯を新規で申し込んで買ってくるよ。そしたら0円機種もあるだろう。それをあげるよ。SIMカード差し替えて使えば良いよ」と決心。ついでにさっきの予約も取り消しておこう。と。
いつもニコニコさわやか好青年のアンディ、しかし必要な場面では機転も効くし決断が早い!
私は香音を迎えに行き、アンディはお店に戻り、のちほどうちへ来てくれることに。


香音を迎えに行って間もなくして、アンディ君帰還。
彼は今日、夜勤のバイトがあるので、長時間いろいろ振り回してしまって申し訳ないと恐縮することしきりなんだけど、ご本人は至って爽やかに登場して、そして「すべてうまく行きましたよ」と言う。
お茶を入れて話を聞くぞと座ると、なんとさっき普通の携帯を申し込もうとした時選んだ機種を持っている。??? 
「結局ね、僕が正規の携帯電話を新しく契約しました。パートナーシップ云々とかで、僕が契約してあなたが利用者というのが一番シンプルな選択肢だった」と言うのですよ。月々の引き落としが僕の口座からになるので、毎月送ってもらわなくっちゃいけないけど、と言う。何ということでしょう。電話番号は温存、移行。月々19ユーロの基本セット。
プリペイド携帯用の新規電話は0円機種が無くって100ユーロ以上もしたんだよ、それじゃあんまりだと思ったから、こうした。…と言う。
審査がなかなか通らないもんだから、まさかそういう“奥の手”の存在にも気づかなかったけれど、低価格契約とは言え名義貸しなんて気分的にとっても面倒なこと。制度を知っていたとしても、とても人には頼みにくいことです。それをさらりとやってきてくれたのです。
この爽やかな青年は誰ですか!と観客に問いたいくらいになりながら、何度も何度もお礼を言いましたもちろん。
かくして無事に、いや大大幸運に、正規携帯を獲得することができました。
まったく、アンディ君には感謝しきれません。
しかも。まだ普通に申し込みできると踏んでいた時点で、店頭で選んでいた機種はアンディ君のとまったく同じ。折りたたみでは0円が2種類しかなかったところ、使いやすいよと勧めてくれたし、細かいことを教えてもらえる魅力に負けて選んでしまいました。ええ、おそろです。
契約までおんぶに抱っこでしかも機種まで真似っこしちゃいまして、なんかもう申し訳ないやらお恥ずかしいやら。
恐縮しつつ、基本操作も伝授してもらいました。


日本学科の学生である彼のご恩に報いることができるとしたら、日本語のお勉強の一助に貢献するしかありますまい。
アンディ。エッケ級のスーパー日本語を獲得できるその日まで、内橋家は君のお勉強をサポートさせて頂きます。(エッケみたいに日本語で嫌味まで言えるようには…大苦笑)
ウッチー読んでますか? アンディはほんと、良い奴だよ!

そして、ニッポンの皆さん。
こんなアンディは今年、日本へ勉強に短期留学(ホームステイ)したいと計画中です。
どこへどれくらい云々はまったく未定なようですが、どうか皆さん!
遥か遠いウィーンで、可哀想な日本人に全力で奔走してくれる、こんな希代の好青年がお近くに参りましたら、ぜひとも歓待してやってくださいよ!
“都会より自然が多いところへ行きたいです”なんて申しておりますので、心当たりのある方は是非・・・。



毎度手続き関係では泣かされ、そのほかもヤなこととか問題は次から次へとやってくる昨今なのですが、こうして時にはビックリするくらい嬉しいこともあって、人間なんとかやって行けるものですね。感謝感謝。もっと謙虚になろうかなとまで思ってますよ、凄いですね! 桜庭選手も怪我を癒してがんばってほしいです。

応援してくださる皆さんも、いつもアリガトウデス。夜はミナちゃんが遊びにくるので、ニヤニヤと祝杯させて頂きます(バキッ!)