子どもマラソン

 祭日の前日、水曜は区の大きな公園Stadt Park でKIDSRAN というランニングイベントがあった。
全長500mくらい(?)を、何百人という子どもたちが順次走るイベント。香音のクラスでも連日トレーニングをしていたらしく、意外にも子どもたちは皆張り切ってた。香音もしかり。あいにく当日は朝からどん雲りで肌寒く、多めに着てきたけどまだ寒い!

コースを示すよくわからない地図を持って帰ってきたので、おそらく見学可なんだろうと思ったが、毎週水曜はyukaさんの授業をぼーっと見学…名目的にはお手伝いに伺っているので、最初だけ、スタートだけでも観てこようかと行ってみる。

思いのほか参加児童数は多い。おそらく3区の小学校が参加対象になっているのか。あっという間に迷子になりそうな中、一、二年生と担任、数人のお母さん達を発見。わたしが登場すると香音の気が散るかな、と思って離れて見てたけど、いつまでたってもスタートしないみたいなので合流した。
いつも通り登校したあと、一年生と二年生、12人ほどが9時には公園に到着して待機している。イベントの全体像は全く見えないが、どうやらスタートは9時から数十人が10分ごとくらいでスタートする。香音のクラスからは順次2人ずつがそれらの群れに参加している。香音のクラスの仲間は次々にランナーを送り出し、次々にランナーが帰ってくるという展開。芝生のあるところに先生は陣取り、数人のお母さん達と居たが、スタート早々担任のドリス先生に仕事を命じられた。
曰く、“次々と帰ってくる子たちを、スポンサーの屋台に連れてってご褒美の菓子パンと飲み物をもらってきて欲しい”とのこと。
最初は親しい同級生ふたりを連れてって、と頼まれてOKしたが、次々と帰ってくる子等を当たり前のように任される。まぁいいかと応じるが、どんどん時間は経って、yukaさんの授業にどんどん遅れそうに。無理してまで来なくていいですよ、とは言ってもらってるので気にすることも無いのだが、しかしながらクラス運営としてはどうなのよ?と苦笑してしまう。
日本だったら、あらかじめガチガチに“お母さんのボランティア”の役割分担をしていそうです。
もちろんほかのお母さん達も常に子どもたちが全員揃ってるか、数えたり離れる子に「どこいくの?」なんて話しかけたり、ちゃんと気にはしている。が、もともと役割分担を特にしたりしてないから、あっという間に香音のスタートもゴールも、見そこねてしまった(涙)。

スタート時、「カノンが走るわよ!」とほかのお母さんに言われ、スタート地点に向かったところ、すでに大群が走り出していたが、担任の先生と一緒に走る香音は遠くからでもすぐに見つかった。すると、とあるオーストリア人夫人が懸命に香音の写真を撮って声援を送ってくれている。よく見るとそれは数ヶ月通った幼稚園のクラスメイトのお母さんだった。びっくりして駆け寄ると、クラスメイトだった双子の子どもたちも来ていると言う。この家族は親がふたりとも3区で働いているので、子どもたちも家からは遠いけど3区の小学校に通っている。このお母さんはたまたま通りかかったら前から嬉しそうに香音が走ってくるので、思わず激写してしまったのだった。後日写真を送ってくれるそうなので、届き次第こちらに追加upしまーす。

「他の子の面倒みてる間に見そこねちゃったわねー」と、たいへん気軽に笑い飛ばされつつ、そうこうしてるうち、「あっ、そろそろゴールするんじゃないかしら!」と慌てたらもう到着していた。これも他のお母さんが笑って教えてくれた。…。
手伝いも、ニコニコ請け負っていたら皆喜んでやっていると思うので、特に深く気を遣ったりしないのですね人々は。西洋式…。


でもま、本人は喜んで走ったみたいだし、決定的瞬間を見届けることはできなかったけど、たいへん楽しんでいたということはよーくわかったので行った甲斐はあった。ちょっと気になったのは、先生はずっと手を繋いで走っていた。ここ数日の“トレーニング”の成果で、香音の走る姿は随分サマになっていて、それには驚いていたので、手を繋がない方が走りやすいんじゃないかなぁ…と思ってしまった。ま、途中は放していたかもしれないかナ。

他の子達は、順位を気にしたりほっぺが真っピンクになるほど高揚していて、とても頑張っていた。もらったパンもパクパク食べて、待ってる間も子犬の様にじゃれ合ったりして可愛かった。女の子は香音にちょっかいを出して香音は逃げ回っていたが、それは意地悪では決してなく、遊びかけ、という感じのものだったので見ていてもほのぼのとした。こういう場面でもっとうまく応じられたら、友達と遊ぶことも多様化できるだろうになぁ、と勿体ない気がしたけど、ゆっくり覚えてくれるかなと期待したいところです。


全員走り終わったところで、子どもたちは学校へ戻ることに。11時からは上級生達がほかの先生に連れられて来る予定。大会はまだまだ続く。わたしはすこしだけでもヤパノロギーの授業に行けるかなと急ぐ。途中、上級生の部を見に来たほかのお母さん達とすれ違い立ち話しつつ大学へ。

授業をすこしだけ拝見し、タンデム相棒君らと珈琲のんだらマクドナルドへ誘われる。この二年、マクドには行ってない私…。他にしよーよーと言っても、そこでもっとも若い山羊ヒゲ青年は頑として譲らず、仕方なく従う。
我が相棒は寿司も握れる料理好きであり、彼は私の日本的料理のファンでもある。そんな我々がなぜに…と思いつつマックを貪り、恨めしく思っていると山羊ヒゲ青年、まことに満足そう。「マックで満腹になるなんて、極楽」みたいなことを言うので、日本的な言葉を教えてあげる。

余は、満足じゃ。

これは高貴な人の言い方なので、僕は満足じゃ でもなく 余は満足です でもダメです。セットで覚えて下さい。と教える。

余ハ満足ジャ

と連発しながら、ほんとに満足そうに帰って行った山羊ヒゲ君でした。