金曜会、悪魔の輪。

数えてないけど結構な数続いているのが、留学生ミナちゃん迎えて毎週金曜晩酌の会、金曜会である。
ミナちゃんが酒を買ってきて、うちでご飯作って晩酌、呑まない香音もミナちゃんが大好きなので、毎週ご到着されるたび「みなちゃぁああん! きてくれてうれしいよぅ!」と感激していて微笑ましい。


ところで今朝は、香音のクラスメイトの母ひとりと珈琲を飲んできたのだが、その時新しい独語表現を教えてもらった。

話題は一年前のヴィザ更新のこと。
ひとしきり彼女の今朝の、オーストリアの頼りない上にややこしいお役所仕事について不平を聞いたところで「わたしも一年前、ヒドい目にあったのよ」と話した。
要は、初回申請よりも簡易化するはずの更新申請だったのに、管轄する行政機関が代わり、引き継ぎ時に我々の重要書類が紛失され、ほんとは必要ないはずだった数々の書類を一から取り直さなくてはならなくなった。さらに、保険、納税に関しても、明文化されていなかった要請が次々とあり大問題。
たとえば、「更新一年間、有効な保険」とあり、日本で契約していた海外向けの保険を更新して書類を出すと、“オーストリアの保険会社にしてください”と言われる(だったら高い金払って日本の保険会社で更新しなければ良かった…)、納税証明などについても、言われた書類を出したら更に次の書類を言われて…と、いつまでも揃わない。しかも、保険会社をやっと見つけて契約するにも、納税者番号が要るヴィザが要ると言われ、税金申告しようとしたら保険番号が要ると言われ…、ヴィザと保険と税金、三つのメビウスの輪にはまって大変だった…。


これはさすがに独語で説明するには大変だったし、朝の珈琲であるからそんなにお互い時間がないので、英語で話していたが“メビウスの輪”と言うと、アグネスは「ドイツ語ではDEVIL CIRCLE のことを、TEUFEL KREISって言うのよ」と教えてくれた。そもそも英語で悪魔の輪、DEVIL CIRCLE ってよく言うのかなぁ、と思いつつも、へぇっと何度か反芻してみる。




午後。金曜会。
一日暑かったので、ミナちゃんが来て料理をはじめる前に白ワインを冷やしながらお水、ウィーンが誇る、名付けて、「アルプスの美味しい水道水」を飲みながら雑談。
お互いの肌の色の話などをしながら、シミやソバカスをレーザーで消すというのは果たして有効か、と言う命題に。一個消したらほかのが気になるだろうしね。鼻を整形したら、それに似合う目が欲しくなるって言うし。下腹の肉を千切って捨てられたらいいけど、こんどは太ももが気になるんだろうね。まったく別だけど、植木鉢のミントやアサツキを“大きいのだけ”と思って摘んでも、摘んで大きいのが無くなったら、もともと中くらいだったのがぐんと大きく見えてきてキリが無くなるのよね。当たり前だけど、1位から10位がいなくなったら、かつての11位が1位になるんだもんねー…なんて話していると、我が家の独語リーダーでもあるミナちゃんがハッと思い出して叫ぶ。
「華英さん、そういうの、TEUFEL KREIS って言うんですって! 最近聞いたんですけど、こういう時に当てはまるんですね!」とひとりユリイカ!している。
「あっらー、あたしそれ、今朝教えてもらったところだったよ」とびっくりして言うと、ミナちゃんも慄然として、「華英さん、これはお覚えろということですよ!」。


ま、ここに書こうとふと思い出しても、記憶があやふやだったので改めて辞書を引いたりしましたが…。
TEUFEL KREIS、悪魔の輪。あんまり遭遇したくないですね、なんて〆たらほんと、つまらないブログネタっぽいですなぁ。
あは、あは、あはははは…(汗)。



といったところで、今週の金曜会の重要なテーマは「6月の四連休を利用してオーストリアのどこかに遊びに行こう呑んで泊まってこようだけどどこにいく?をそろそろ真面目に決めよう考えよう」だったのだ。
いつも、決めよう考えようと言いつつ結局、想像、飲酒、妄想、飲酒、雑談、飲酒…想像、飲酒…と同じようなことを繰り返して何も決まらず、5月の連休にという当初の計画が、いつの間にか延びてしまっていたのだった。
しかしながら今日はさすがに「一緒にネットを覗く」、という段階まで進められた。大変な進歩である。悪魔の輪の中とは言わせない。