壁絵2

渋さ知らズがウィーンに来て、滞在中にメンバーのペロちゃんがお誕生日で、そのサプライズパーティのためにメンバーが大挙してやって来た。
舞踏の東洋組が飾り付けして、舞台監督+絵描きのABTが料理の腕を奮い、バンマスがほろ酔いになって色を添える。いよいよ主役の到着と言うところで一同、香音の部屋から楽器や鳴り物を探し取り出し、主役を待ち構える。
主役には徹底的にこの企画を伏せ、ダンサー姐御のさやかさんが巧みなアテンドで注意をそらし、ご本人はまったく予想せず登場。
騙して集められたメンバーもいたので、それなりに「人でなし」なことをしてしまったが、それでも人が涙目で喜ぶ場面は美しく赦免的。

ナイショにして準備を進めるなか、誰かの「青健、やりたかったろうなぁ」のヒトコトにドキッとして、急きょ呼びつける。喜んで駆けつけてくれた青健は、ニコニコと壁にお祝いの絵を描いてくれました。ペロちゃんの誕生日だけど、わたしが欲しかったと白状しなくてはいけない。罪滅ぼしに「ペロちゃんへって、書いてね」とお願いしたら、これまたカワイク「ペロヘ」絵文字みたい。ここに住むかぎり、ずっとずっと、預かりますよ、ペロちゃん。

主役だけじゃなく集まるみんなにもシークレットにして驚かせよう、とのたくらみだったけれど、旅も後半に差し掛かり疲れもたまっている最中だったから、この目論見は結構危ない舟だったのかもしれない。そこを心配してやまない人もあって。

サーカスとか旅一座に喩えられるオーケストラは、ステージだけじゃなく旅そのものもギリギリに続けていて、そんな一面を見せて貰いながら、それでもやっぱり、睡眠時間一時間程度のまま準備に駆けつける人や慣れない街で美味しいケーキをもとめて奔走する人、たいそう疲れていても「オメデトウ」と言う時とびきりの笑顔をみせるメンバーをみていると、ああ人間は、いろんなものをほっぽり出して開き直ったら、ソウルだけで生きていけるんだよねホントはね…と、改めて確信することができました。やりたいことばかり優先して生きてるんだから、ストレスなんてためてる場合じゃないわよね。


素敵な壁絵を残してってくれた青健アリガトウ。ほんとに元気そうで、楽しそうで、とっても嬉しかったよ。
病気対策の禁煙に協力した身としては減煙中止にショックなはずなのに、あんまりにもあなたがFineなので、どうでもよくなりました。
それくらい、元気そうな様子、嬉しかったよ。


壁の絵を大切にするってのもどうするべきかよくわからんが、毎日ニコニコして眺めることにします。アリガトウ。