4連休その2

前回の4連休記録をその1としたので、過ぎてしまったけどその2を。

金曜は前記のように“金曜会”でお楽しみし、土曜はお買い物などしつつ片付けなどしつつ。深夜、内橋さんがポーランドよりご到着。フライトや電車は数に限りがあり、移動にもう一日とられそうなので急きょバスにて帰って来たのだ。9時間のバス旅なんてあなたはひとり渋さ知らズですかというところですが、そりゃいいとしてお帰りなさい。

日曜日…は何してたっけ、散歩したかな。うちの近所、旧宅ならさらに激近だった大通り沿いのイタリアンレストラン。ピッツェリアって書いてあるからピザ屋なんだけど、そういうには各料理しっかり美味しい。そして見た目の雰囲気にしては安い。という訳でいそいそ通っているところだが、散歩のついでに(?)今日も立ち寄る。陽射し心地よい大通りに並んだお席。この春はここへZAKやセンジューくんたちが来た時も案内して、内橋さんのお気に入りのパスタを皆で食べたよなどの話を。ウィーンに越してから、なかなかウィーン滞在が少ないお父さんなので、いつの間にか“留守中こんな方々がいらっしゃいましたよ”話の多いこと。

そう、日曜は快晴だった。
明るいうちに帰宅するのがもったいないくらい天気よく、ちょっと暑いくらい。日陰はひんやりするのでしのげるけど、プールや川へ行ってる人も多いはず。だのに。なのに。


月曜日。
あいにくの曇り空だけど数日前から計画していた通り、香音の小学校のクラスメイトふたりの家族とプラターの公園で遊ぶ。芝生の上でのーんびり。子らが遊具で遊ぶ間に、フリスビーなどで汗を流し(私は見ていたけれど)、そのうちカードゲームが取り出され、大人5人子どもふたりでワイワイと楽しむ。賭けなくても充分に盛り上がる。盛り上がり過ぎて集中し過ぎ、雲行きが一気に悪くなり、そのうちポツ、ポツ…ザーーーーーっと降り出してしまった。慌てて片付け、遊びに夢中で戻ってこない子どもを捜しに走り、今度は子を探しに行ったまま帰ってこない親を探しに行き…を繰り返しても雨は更にひどくなるばかり。一台だけある車で半分を、残り半分は車にあった傘で歩いて帰るが、帰る頃には全員ずぶぬれになっていた。
うちへ戻った濡れ鼠一行、交代で足を荒い交代で髪を乾かし、Tシャツをお貸ししてホッとする。わたしは仕込んでおいたおうどんとおそばの準備に取りかかる。
本日はルカス君パウリ君のご家族来宅。
ふたりともクラスの子だけどルカスだけ二年生。元パンクのお母さんと2人で来たけどお父さんもあとから合流。パウリはお姉ちゃんもいっしょ、しかもお母さんの新しいボーイフレンドもご一緒。うふん。この彼が日本の陣内孝則(我々世代の方の陣内)と彼のパブリックイメージにかなり近い。そして顔も結構似ている。前回のOttakring のお祭りで会ったミナちゃん、今回は内橋さんも初見からそう感じたと言うから間違いない。
パウリのママは若き日に半年日本に滞在したことがあり、「日本語が話せますか?」と香音が訊くと「はい、とてもすこしです」と恥ずかしそうに答える親日家である。
子どもたちはぎゃあぎゃあと遊んでいるのでその間に、大人はワイン飲酒開始。
公園で遊んだあと雨に降られると言う珍事、その後ずぶ濡れになって帰宅しTシャツを着替えへアドライアを順番に使って…という儀式のあとだったので、普通以上に打ち解けた気分で乾杯。
子どもたちには冷たいおうどんに野菜と蒸し鶏をのせたものを用意するが、遊びに夢中なので男の子達はろくに食べない。特にルカスはたっぷり残してくれやがるがしかし我らが香音が彼の食べ残しまで完食。パウリの残りはお姉ちゃんのサリータちゃんが完食。そして子どもたちには蒸し鶏がだい好評だったので一応、満足。

そう、12歳のお姉ちゃんはめちゃ可愛いんだけどまたこれ、誰かに似ている。ずーーっと気になっていたがやっとわかった。UAちゃんだった。

お喋りしたり子どもの世話したりしながらなので時間がかかったものの、なんとか大人のお蕎麦が完成。
白髪切りしたきゅうりや人参、コロラビ、蒸した七面鳥(鶏がお店でちょっとしかなかった)、野菜と蒸した鳥肉のスープで炒め煮にした西洋白ネギ、すりごまなどをトッピングにして冷たいおそばを自由に食べてもらう。お出汁はもちろん一番出汁をとって自家製にした。あと、お義母さまより送って頂いた作り立て(乾きたて)の乾燥湯葉(激ウマ)もお出しした。
というのも、元パンクのママの旦那(この人は元パンクではない)が「痛風」で、酒飲まない肉食べないと言っていたので、ネットで調べて痛風患者にも優しい献立にしようと張り切り、そして「大豆蛋白が良い」とあったので慌てて貴重な湯葉を戻したのだが、湯葉を説明すると「これは私の病気にとても悪いのです」と言う。でもちょっとだけなら大丈夫だから頂きます、と言う。???わたしの見たサイトが間違っていた???言い張っても仕方ないし、根拠に日本語のサイト見せても皆目わからないはずなのでとりあえず失礼しましたと謝るが、どうなんだろー。気になるけどまぁいいので検証せず。

ま、そういう一場面もあったものの、お蕎麦は皆さん喜んで召し上がり、あっという間に無くなった。運転して帰る陣内と通風氏は飲酒しなかったが、我々と親日家ママ、元パンクママはしっかり飲んで、饗が乗って内橋音楽の話に。口で説明しても仕方ないので、内橋さんが自分のCDを聴かせる。次々にこんなのとかこんなの…と聴かせると、音楽好きの元パンクが食いつき、質問攻めに知る。この人のうちに行った時、最初はクラシックがしっとりと流れていたけれど、家の奥には結婚祝いに貰ったと言う年代物のジュークボックスがあり、その中には80年代のロックとパンクが満載だった。iPodをいつもぶら下げていて、常時かならずラモーンズが入っていると言うので、総じて音楽好きなんだろう。内橋さんも酔いがまわり、大人は感じいいし子ども等は愛らしいので調子に乗ってダクソフォンを取り出し、飲食していたリビング兼香音の部屋で演奏をはじめてしまった。たぶん9時は過ぎていたと思うけれど、珍楽器登場で子等は大騒ぎ。交代で弾かせてもらったりして大喜び。内橋さんが自ら、美人少女サリータちゃんの後ろから、抱きかかえる体勢で弾き方を教える様子は、若干の萌えを感じヒヤヒヤした。サトラレだったら絶対、逮捕されている。私も内橋さんも。

しかしクライマックスは美少女への伝授そんなものではなかった。
影の薄かった通風氏が、なんだかむずむずしている。足先が痛みだした訳ではなく、ダクソフォンに興味津々。素早く気づいた内橋さんは通風氏に「やってみる?」と問い、やはり彼は飛びつくように試していた。楽しかったらしい。


ルカスたち家族が間もなく帰宅し(だって10時半過ぎてるもんね)、それでもしばらく親日家ママ家族&陣内とは談笑。ふと気がつくと飲んでいない陣内は手持ち無沙汰だったのか台所でちょっと片付けしてみたりしていて、いやしかしあまり細かいことが思い出せないくらい我々はたっぷり飲酒しており、わぁわぁと帰って行ったのは夜中12時を軽く過ぎた頃だった。
香音はさすがにスイッチオフするようにぱったりと寝て、そしてわたしもばたんと寝た。内橋さんも。


4連休最終日はもう、朝からゆっくりゆっくり片付けて(いやしかし家中凄いことになっていたが)、慌てて動いて頭痛を誘発しないように気をつけながら一日過ごした。二日酔いギリギリだった。しかしお昼には恩田アキが遊びにきた。N.Y.からウィーンに仕事で来ていたのだ。昨日の残りであったかいお蕎麦をご用意し、やっぱりトッピングに七面鳥をのっけた。それはそれでさっぱりして美味しい、と苦笑してくれた。

しばらくアキちゃんと談笑し、その後散歩がてらに街へ。メガネ屋へ。
昨日の乱闘で香音のメガネが壊れちゃったのだ。そろそろ新しいメガネを日本で作ろうということで、可愛いフレームだけ買ったら、また修理を無料にして頂けた。今回の修理はメガネのつる一本付け替えたので、傍らには一本ツルを失ったメガネがある。つまりひとつフレームをつぶして直してくれている、のに、無料! 今まで鼻あての交換とか歪んだフレームの矯正とか、何度か修理をしているけれど、有料だったためしがなく驚くばかりなのだが、またもやである。メガネ族に優しい街なのか、ウィーン。


って感じで、クライマックスのドンチャン騒ぎを挟んでしずかに終えた4連休であるますた。
後日建物の中で会った階上にお住まいの奥様(下町のチャキチャキおばちゃん)に、「フィングステンの月曜、子どものお友達がたくさん来て宴会しちゃいました。うるさかったでしょうか、ゴメンナサイ」と言うと「あら! うちの旦那が“子どもが家具叩いてるなぁ”って笑ってたけど、パーティだったの? あたしは何にも気づかなかったわよ、うちにはもうすっかりい大きい子がふたりいてここで育ったから、子どもがいる生活がどんなものかよく知ってますよ、大丈夫よ」と笑ってくれた。(ほんとはもっといっぱい色々言ってたけどわかったのはこれだけ。)庶民的な佐藤オリエみたいな人なのでホッとする。あとは階下の元軍人のおじいちゃん宅である。こちらの家族構成を存じ上げないので、もしかしたらどなたかをイラつかせてしまったかもとちょと心配。おじいちゃん自身は、かなり楽天家で耳が遠そうなので、いいんだけど。

金曜会、悪魔の輪。

数えてないけど結構な数続いているのが、留学生ミナちゃん迎えて毎週金曜晩酌の会、金曜会である。
ミナちゃんが酒を買ってきて、うちでご飯作って晩酌、呑まない香音もミナちゃんが大好きなので、毎週ご到着されるたび「みなちゃぁああん! きてくれてうれしいよぅ!」と感激していて微笑ましい。


ところで今朝は、香音のクラスメイトの母ひとりと珈琲を飲んできたのだが、その時新しい独語表現を教えてもらった。

話題は一年前のヴィザ更新のこと。
ひとしきり彼女の今朝の、オーストリアの頼りない上にややこしいお役所仕事について不平を聞いたところで「わたしも一年前、ヒドい目にあったのよ」と話した。
要は、初回申請よりも簡易化するはずの更新申請だったのに、管轄する行政機関が代わり、引き継ぎ時に我々の重要書類が紛失され、ほんとは必要ないはずだった数々の書類を一から取り直さなくてはならなくなった。さらに、保険、納税に関しても、明文化されていなかった要請が次々とあり大問題。
たとえば、「更新一年間、有効な保険」とあり、日本で契約していた海外向けの保険を更新して書類を出すと、“オーストリアの保険会社にしてください”と言われる(だったら高い金払って日本の保険会社で更新しなければ良かった…)、納税証明などについても、言われた書類を出したら更に次の書類を言われて…と、いつまでも揃わない。しかも、保険会社をやっと見つけて契約するにも、納税者番号が要るヴィザが要ると言われ、税金申告しようとしたら保険番号が要ると言われ…、ヴィザと保険と税金、三つのメビウスの輪にはまって大変だった…。


これはさすがに独語で説明するには大変だったし、朝の珈琲であるからそんなにお互い時間がないので、英語で話していたが“メビウスの輪”と言うと、アグネスは「ドイツ語ではDEVIL CIRCLE のことを、TEUFEL KREISって言うのよ」と教えてくれた。そもそも英語で悪魔の輪、DEVIL CIRCLE ってよく言うのかなぁ、と思いつつも、へぇっと何度か反芻してみる。




午後。金曜会。
一日暑かったので、ミナちゃんが来て料理をはじめる前に白ワインを冷やしながらお水、ウィーンが誇る、名付けて、「アルプスの美味しい水道水」を飲みながら雑談。
お互いの肌の色の話などをしながら、シミやソバカスをレーザーで消すというのは果たして有効か、と言う命題に。一個消したらほかのが気になるだろうしね。鼻を整形したら、それに似合う目が欲しくなるって言うし。下腹の肉を千切って捨てられたらいいけど、こんどは太ももが気になるんだろうね。まったく別だけど、植木鉢のミントやアサツキを“大きいのだけ”と思って摘んでも、摘んで大きいのが無くなったら、もともと中くらいだったのがぐんと大きく見えてきてキリが無くなるのよね。当たり前だけど、1位から10位がいなくなったら、かつての11位が1位になるんだもんねー…なんて話していると、我が家の独語リーダーでもあるミナちゃんがハッと思い出して叫ぶ。
「華英さん、そういうの、TEUFEL KREIS って言うんですって! 最近聞いたんですけど、こういう時に当てはまるんですね!」とひとりユリイカ!している。
「あっらー、あたしそれ、今朝教えてもらったところだったよ」とびっくりして言うと、ミナちゃんも慄然として、「華英さん、これはお覚えろということですよ!」。


ま、ここに書こうとふと思い出しても、記憶があやふやだったので改めて辞書を引いたりしましたが…。
TEUFEL KREIS、悪魔の輪。あんまり遭遇したくないですね、なんて〆たらほんと、つまらないブログネタっぽいですなぁ。
あは、あは、あはははは…(汗)。



といったところで、今週の金曜会の重要なテーマは「6月の四連休を利用してオーストリアのどこかに遊びに行こう呑んで泊まってこようだけどどこにいく?をそろそろ真面目に決めよう考えよう」だったのだ。
いつも、決めよう考えようと言いつつ結局、想像、飲酒、妄想、飲酒、雑談、飲酒…想像、飲酒…と同じようなことを繰り返して何も決まらず、5月の連休にという当初の計画が、いつの間にか延びてしまっていたのだった。
しかしながら今日はさすがに「一緒にネットを覗く」、という段階まで進められた。大変な進歩である。悪魔の輪の中とは言わせない。

4連休 その1

今週は木曜、金曜とお休みで4連休でした。学年末のこの2ヶ月でそんな連休が4回もある。欧州各国、どこも結構そう言うことらしく、デンマークで子育てする人は“ちょこちょこ休みながら学年の総仕上げをしつつ、長い休みに備える感じ”と言っていた。そう言われたら、そんな感じがしなくもない。田舎に親戚が居る家庭は連休に帰省するのがちょっとしたイベントになるけど、そういうのがなければ友達と云々のイベントが立て込む。
水曜の子どもミニマラソンを終えたら内心“ワーイお休み”なんて喜びつつイヒヒと夜更かし…。木曜はまことにゴロゴロして過ごす。


  • 金曜日。

この日は祭日ではないのでホルトは希望すれば来ても良い、ということで、香音は喜んで御出勤。
9時半頃に出かけて、いつもより人の少ないお部屋でのんびりと遊んでいたらしい。お昼ご飯をお友達とワイワイ食べてくるというだけで、母子家庭には有り難いお話。午後は早めにお迎えにゆき、小学校のクラスメイト、ヨシュア君宅へお招き頂く。彼のママ、ダニィの手作りおやつに大満足しつつ、天気がいいので公園へ。きのうもお休み、明日もお休み…と良い気分になっていたら、晩ご飯に母がくるんだけど一緒にご飯食べてかない?とお誘い。夜は日本人留学生のミナちゃんが来る約束だったが、“良かったらその人も”。急きょ、ミナちゃんも交えて、6人でワイワイ晩ご飯は楽しかった。


  • 土曜日。

ミナちゃんはうちに泊まり、土曜は遅めのブランチにして、そのあとはぞろぞろとおでかけ。
きのうのヨシュア母子と合流して、Ottakring ではじまるSOHOフェスに行く。街の一角、方々の通り沿いにて、小さいアトリエやギャラリーがいろんなイベントをしながらスペースを解放し、連日イベントが続くお祭りである。現地でさらに二組5人も合流し、快晴の広場のカフェにてビールをすする。La dorche Vita. しかし初日だった本日は、夜にならないとろくにSOHOは現れず、我々が居た午後から夕方にかけてはずっと、メインステージの特設、及び音響機材の仕込みとサウンドチェックをぼんやりと眺めるに終始していた。ダニィは「なんか、へんなライブね、曲も盛り上がらないしコマ切れな感じ」と言うので、あれはサウンドチェックであると教えてあげた。
なんと音響仕込みにはエッケの弟氏その2がテキパキと働いていたよ。香音はサウンドチェックの間中ずっとステージにかぶりつきで見守っていた。
途中でミナちゃんが帰り、その後、我々はビリー宅へ休憩に。

ビリーの誘いで今日はウィーン唯一の行きつけのギャラリー、エコラウムに。エコラウムの主、お茶の水博士ヴェーナードは大のボブ・ディラン好きで知られているらしい。本日5月19日はボブさん66回目のお誕生日で、エコラウムでは午後早くからライブ&パーティが開かれている。我々が到着した頃にはボブ詩のポエトリーリーディングが長々行われていたが、独語だったのでからきしわからんちん。でもそのあとの特製バンドはオリジナル英語で唄ってたけどやっぱりわからん珍だった。誰もLike a Rolling Stone や「風に吹かれて」唄ってくれないんだもーん。避けること無いじゃんかー。ぷんすか。しかし、ここのパーティ時に振る舞われるごちそうはいつもナイスなので、お腹減らしてきて正解だった。マーティン・シューヴァートがアコギで弾き語りした時、香音が「oh,yeah!」と絶妙なタイミングでブルージィな合いの手を入れたので、ビリーやらまわりの大人が爆笑していた。「カノンはソウルでわかってるねぇ」だって。DJ(みんな50代以降だった。爺さんのDJ、いかしてた)に合わせて踊る香音はグランジの客みたいな踊り方で、おばさんが“一緒に踊りましょうよ”とおばはんステップを強要するとich will nicht! と独語で断っててこれも可笑しかった。


  • 日曜日

ミノポリスという街に行く。っていうとギリシアかどっかみたいだけども、子ども向けのお仕事体験村みたいなところだ。今日は学校のクラスメイト、マキシ君のお誕生日。
いやしかし、ボブ・ディランとマキシに限らず5月のお誕生日の子どもの多いことよ。先週、先々週と
目白押しであるよ。逆算するとちょうど長い夏休みの…あぁなんだ、そりゃそうか。なるほどね。

この誕生会は午後1時集合の5時解散。長!
お仕事体験村で果たして香音が楽しめるのかとの懸念もあったが、当地のお誕生会は子どもだけ預けて親は解散時間まで自由…たることが多い。お仕事体験村はなんだか商業的な施設で、わたしが世話しない方が本人は楽しめるかなと思ったので、近隣のシネコンで映画でも…と内心期待していたが、行ってみると映画館は軒並み夕方から営業(涙)。ニポンの皆さん! 平日はもとより、週末でも昼間開いてない映画館が多いんです…。
商業施設で1日つきっきりしてアレコレ香音に遊びを“させる”ってのはイヤだなぁと思っていたら、うじゃうじゃ遅れてくる親達の中に知った顔。
晴れて、子どもを預けて快晴のドナウ川沿いリゾート散策に出かけた。それはそれはキッチュでダサ
いカフェレストランが建ち並ぶ。頭の悪そうな若者が働き、頭の悪そうな客がたむろっている。どれくらい頭が悪そうかと言うと、飲んで会計してトイレ行って店を出て歩き出したら、さっき会計した網タイツのウェイトレスが「一杯いかがですかぁ?」と客引きしに寄って来るくらい。どれくらい頭が悪そうかと言うと、ベビーカーでギャースカ赤ちゃんが泣いててもくわえ煙草でバカ高いリゾート式カクテルを飲みながらケンカしてる入れ墨だらけのバカップルの後ろ首に彫られた文字が「強弟心」だった
りするくらい。
そういうところで座席を注意深く選びながら、クラスメイトの母@元パンクとふたりでぐちゃぐちゃ昼間からワインすすりつつ、しゃべって時間をつぶした。




終わってから、母子二組でウィーン名物のアイス食べて解散。まぁ楽しく過ごした連休その1が終わりました。(ほんとは先々週も連休でした確か。多すぎてよくわからない…)

子どもマラソン

 祭日の前日、水曜は区の大きな公園Stadt Park でKIDSRAN というランニングイベントがあった。
全長500mくらい(?)を、何百人という子どもたちが順次走るイベント。香音のクラスでも連日トレーニングをしていたらしく、意外にも子どもたちは皆張り切ってた。香音もしかり。あいにく当日は朝からどん雲りで肌寒く、多めに着てきたけどまだ寒い!

コースを示すよくわからない地図を持って帰ってきたので、おそらく見学可なんだろうと思ったが、毎週水曜はyukaさんの授業をぼーっと見学…名目的にはお手伝いに伺っているので、最初だけ、スタートだけでも観てこようかと行ってみる。

思いのほか参加児童数は多い。おそらく3区の小学校が参加対象になっているのか。あっという間に迷子になりそうな中、一、二年生と担任、数人のお母さん達を発見。わたしが登場すると香音の気が散るかな、と思って離れて見てたけど、いつまでたってもスタートしないみたいなので合流した。
いつも通り登校したあと、一年生と二年生、12人ほどが9時には公園に到着して待機している。イベントの全体像は全く見えないが、どうやらスタートは9時から数十人が10分ごとくらいでスタートする。香音のクラスからは順次2人ずつがそれらの群れに参加している。香音のクラスの仲間は次々にランナーを送り出し、次々にランナーが帰ってくるという展開。芝生のあるところに先生は陣取り、数人のお母さん達と居たが、スタート早々担任のドリス先生に仕事を命じられた。
曰く、“次々と帰ってくる子たちを、スポンサーの屋台に連れてってご褒美の菓子パンと飲み物をもらってきて欲しい”とのこと。
最初は親しい同級生ふたりを連れてって、と頼まれてOKしたが、次々と帰ってくる子等を当たり前のように任される。まぁいいかと応じるが、どんどん時間は経って、yukaさんの授業にどんどん遅れそうに。無理してまで来なくていいですよ、とは言ってもらってるので気にすることも無いのだが、しかしながらクラス運営としてはどうなのよ?と苦笑してしまう。
日本だったら、あらかじめガチガチに“お母さんのボランティア”の役割分担をしていそうです。
もちろんほかのお母さん達も常に子どもたちが全員揃ってるか、数えたり離れる子に「どこいくの?」なんて話しかけたり、ちゃんと気にはしている。が、もともと役割分担を特にしたりしてないから、あっという間に香音のスタートもゴールも、見そこねてしまった(涙)。

スタート時、「カノンが走るわよ!」とほかのお母さんに言われ、スタート地点に向かったところ、すでに大群が走り出していたが、担任の先生と一緒に走る香音は遠くからでもすぐに見つかった。すると、とあるオーストリア人夫人が懸命に香音の写真を撮って声援を送ってくれている。よく見るとそれは数ヶ月通った幼稚園のクラスメイトのお母さんだった。びっくりして駆け寄ると、クラスメイトだった双子の子どもたちも来ていると言う。この家族は親がふたりとも3区で働いているので、子どもたちも家からは遠いけど3区の小学校に通っている。このお母さんはたまたま通りかかったら前から嬉しそうに香音が走ってくるので、思わず激写してしまったのだった。後日写真を送ってくれるそうなので、届き次第こちらに追加upしまーす。

「他の子の面倒みてる間に見そこねちゃったわねー」と、たいへん気軽に笑い飛ばされつつ、そうこうしてるうち、「あっ、そろそろゴールするんじゃないかしら!」と慌てたらもう到着していた。これも他のお母さんが笑って教えてくれた。…。
手伝いも、ニコニコ請け負っていたら皆喜んでやっていると思うので、特に深く気を遣ったりしないのですね人々は。西洋式…。


でもま、本人は喜んで走ったみたいだし、決定的瞬間を見届けることはできなかったけど、たいへん楽しんでいたということはよーくわかったので行った甲斐はあった。ちょっと気になったのは、先生はずっと手を繋いで走っていた。ここ数日の“トレーニング”の成果で、香音の走る姿は随分サマになっていて、それには驚いていたので、手を繋がない方が走りやすいんじゃないかなぁ…と思ってしまった。ま、途中は放していたかもしれないかナ。

他の子達は、順位を気にしたりほっぺが真っピンクになるほど高揚していて、とても頑張っていた。もらったパンもパクパク食べて、待ってる間も子犬の様にじゃれ合ったりして可愛かった。女の子は香音にちょっかいを出して香音は逃げ回っていたが、それは意地悪では決してなく、遊びかけ、という感じのものだったので見ていてもほのぼのとした。こういう場面でもっとうまく応じられたら、友達と遊ぶことも多様化できるだろうになぁ、と勿体ない気がしたけど、ゆっくり覚えてくれるかなと期待したいところです。


全員走り終わったところで、子どもたちは学校へ戻ることに。11時からは上級生達がほかの先生に連れられて来る予定。大会はまだまだ続く。わたしはすこしだけでもヤパノロギーの授業に行けるかなと急ぐ。途中、上級生の部を見に来たほかのお母さん達とすれ違い立ち話しつつ大学へ。

授業をすこしだけ拝見し、タンデム相棒君らと珈琲のんだらマクドナルドへ誘われる。この二年、マクドには行ってない私…。他にしよーよーと言っても、そこでもっとも若い山羊ヒゲ青年は頑として譲らず、仕方なく従う。
我が相棒は寿司も握れる料理好きであり、彼は私の日本的料理のファンでもある。そんな我々がなぜに…と思いつつマックを貪り、恨めしく思っていると山羊ヒゲ青年、まことに満足そう。「マックで満腹になるなんて、極楽」みたいなことを言うので、日本的な言葉を教えてあげる。

余は、満足じゃ。

これは高貴な人の言い方なので、僕は満足じゃ でもなく 余は満足です でもダメです。セットで覚えて下さい。と教える。

余ハ満足ジャ

と連発しながら、ほんとに満足そうに帰って行った山羊ヒゲ君でした。

今日も書いてみよう。

思いつきで、今日も書いてみようかと。(それでこそ普通なのですが)

 きのうはおうちでゴロゴロして過ごしたので、今朝はわりかし素早く目覚められた。
(わりかし…って、もの凄く限定された口語?)


  • おごる? おごらない?

安請け合いして、大学の日本学科で今日【3分間スピーチ】をやるという某青年の原稿を、朝イチで見て上げる。香音を8時前に着くように学校へ連れてって、待ち合わせのカフェに行く。
授業まで時間がないのでサクサクとチェックしてあげてさてお勘定。
青年はまとめて支払っていた。とはいえ財布を出して「払いますよ」若き彼は一瞬「モウイイデス」と日本語で言ったものの、スマートにご馳走する振る舞いと言うのができない。こちとらスマートに自分の分を払う術を会得した30代であるからして、サクッと手渡す。が。ドイツ語を教えてもらった訳でもなく、珈琲一杯なので奢らしてやれば良かったと、こう見えても倹約家の私はちょっと心残り。

授業は素晴らしくサクサクと進み。(サクサク言い過ぎ?)
快晴の初夏を満喫するように大学から歩く。いつの間にか、さっきからしゃべってた学生、ワイン農家の娘さんと連れ立って歩く。色気のない彼女は昨年神戸にて滞在した経験があり、ウィーンの真ん中で阪急六甲の駅前について語り合う。じゃあ飯でも食おう、ということになり、近くのパキスタンカレー@料金カンパ制のお店に。
日本語履修3年目になるワイン農家の娘さんは所持金がゼロで(親近感がわく)、立て替えてあげることにしてお店へ向かうが、彼女はこのお店をまだ知らなかった。カレービュッフェで好きなだけ食べて、好きな料金払えば良いんですよと教えてあげる。食後、美味しかったしたくさん食べたから5ユーロは払わなくちゃと言う。世間的には妥当だが、赤貧チルドレンとしてはもう少し押さえたい私。
とはいえ、立て替えてあげるシチュエーションでアナタ5ユーロ私3ユーロ、なんてのもおかしいのでふたりで8ユーロ払う。
この店への案内、立て替え含めて何度もワイン農家の娘さんはお礼を言うが、根本的にちょっとおかしい。
どうも、「誘う」と「招待する」を混同している模様。
何度か繰り返して「誘う」は「奢る」のとは別だよ、と教えてあげるが、どっちがどっちかわからなくなった様で混乱している。
そこで、「誘う」は必ずしも支払いを伴わないと言うイメージを持ってもらうため、「勉強に誘う」「散歩に誘う」「仕事に誘う」など例を挙げるとたちまち理解を示すので、調子に乗ってトドメとばかり「あとね、よくある言い方、“ベッドに誘う”!」と言うと、真っ赤になってうつむいてしまった。
少々刺激が強すぎた模様・・・。スミマセンデシタ。

デザイン変えてみても、

 書かなければ何もならないのですけれどもね。


5月に入って、何度目かの長雨のあと、すっかりウィーンは初夏の匂いにむせ返っております。
木々はわさわさとしげり、土も草花も匂い立ち、おまけにおうちの生ゴミもそこはかとなく臭いやすくなって参りまして。


  • 5月、6月の小学校は、学年末なんだけどやたら連休が多い。

フレキシブルな制度によって、飛び石連休がほとんど無く、かわりに木曜から4連休、土曜から四連休などのちょっとした小休暇が断続的に続く。
最初のそれには、ウィーンから電車で小一時間の小街、クレムスにてドナウフェスティバルがあって行ったり来たりした。
それから二回、通常の週末があって来週は木曜から4連休。ウィーンの呑み友達ミナちゃんと小旅行の企画をぶち上げるも、作戦会議で呑み過ごしてしまいまったく計画はかどらず、金欠の心配も相まってとりあえず延期。6月の頭には必ずと誓い合う。


  • 金曜日。

まぁそんな経緯もあって、この週末はおうちで掃除でもしながらゆっくり過ごしうと思ったけど、ウィーン郊外にお住まいの友達より土日講習会に参加するから泊まらせておくれとご連絡。快諾。
金曜は香音、クラスの二年生君からお誕生会のお招きに預かり、映画館へ。先週は二年生ちゃんのお誕生会で「Mr.ビーン」を観ましたが、こんどはディズニー映画だったらしい。参加せずにキネマのある郊外型ショッピングモールを散歩したろかとも思ったが、父母のお茶タイムになんとなく合流しなんとなく独立できず、よくわからん独語ヒアリング特訓みたいな時間を過ごす。
そこにいた父母は皆、バルカン半島系二世もしくは移住者である。
母語が独語になっている人、第二外国語、第三外国語として独語を話す人といろいろ混じっていた訳だが、居住二年なんてビギナーは私だけで、二世はもちろん生まれ育っているし移住者も20年近い人ばかり。そういう人たちのドイツ語は、母語じゃないんだろうなぁ、くらいはわかるもののヤッパリ難しかった…。
途中、タンデムレッスンしてくれてる、例の好青年アンディから電話が入り、彼の独語のわかりやすさに安堵する。普段からわかりやすく話してくれてんのやんなぁ…と、その恩寵に気づき感謝する。

映画が終わり、バースデイケーキなどは映画館内の貸しスペースで、スタッフの付き添いサービス付きで振る舞われる。
終わって迎えに行く頃には、子どもたちは皆汗まみれでギャアギャアと走り回っていた。男の子主体で大きい子も居るので、私が行った頃には香音はテーブルでジュースを飲んでいたりしたものの、えらく汗をかいていて、それなりに楽しんだ模様。お友達母子と地下鉄で帰る。郊外型シネコンも、電車で10分の所とはなんと便利な。買い物しても、30分ほどで自宅に戻れる。これならもっと、利用しても良いカモ。
閉店間際の市場で慌てて買い物、なぜなら今週も毎週恒例、ミナちゃんとの晩ご飯&晩酌が待っている。
本日はお義母サマより送って頂いた新鮮な干し湯葉を生姜醤油で、そして十割そばを頂く約束である! なんと贅沢な!
先週メニューを相談したおり、それでは奮発して日本酒or焼酎を買い求めようかと迷ったが、そんなに自分を甘やかしてはいけないよな、とビールと白ワインに妥協点を見出す。なんともノン気な自己規制であるが。

そばや湯葉蒸し鶏などですっかりご満悦な所へお泊まりゲストも到着。香音が満足そうに就寝し、ほどなくしてゲストもご就寝、残ったいつものメンバー私とミナちゃんでゆるゆると呑み、小学校の頃のクラスメイトにして恩人のような秋山君の話なども披露しつつ夜更けまで…。


  • 土曜日。

朝、すばやく朝食を共にしたらゲストは講習会へ。
そのあと、しばらくMacの前でぐだぐだしたあと、お昼を前にして市場へ。週末の朝市に滑り込みセーフしに行く。
快晴気持ちよく途中エスプレッソの立ち飲みなんかしつつ、香音と散歩の算段なんかしてたら愛しのエッケちゃんから電話。晩飯のお恵み。続いて、イラン人の女友達ティナから「お昼ご飯にいらっしゃいな」とのお誘い。今日は香音に長風呂させてやろうとか目論んでいたけど、せっかくなのでひょいと地下鉄に乗って足を延ばす。
夜はエッケちゃんの鶏料理と決まったところだったので昼は軽くしたかったものの、相手は50代のイラン女性ティナ。読みが甘かった。昼間っから牛肉がゴロゴロ入ったグラーシュだった…。美味しいもんだから食べ過ぎて参った。
ティナは移住先輩女性としてなんかもの凄く言いたいことがあったみたいで、食後呑んでもいないのにかなり踏み込んだご助言を頂く。
夜、エッケちゃん宅へ移動し、美味なるお料理と酒でごきげんになったものの、昼間のティナの占い師のごとき助言が重たく、エッケちゃんご夫妻にぶちまけると今度は夫人のyukaさんがとある新聞記事の切り抜きを持ち出し、喧々囂々とその後、中年夫婦の愛と性について話し合う(嘘)。


  • んな訳で日曜。

夜帰宅して泊まってった友達も朝、慌ただしく出かけてゆき、外の天気はいいものの本日は母子、大人しく静かにおうちで過ごして充電しましたとさ。

生きてます。

引越物語をシリーズ化してしまったので、その続きを書く時間(と気力)がないとすっかり書く気がうせてしまって問題です。

引越の顛末も喉に引っかかった魚の骨みたいですが、そのほかにもまぁいろいろと。
香音が元気で健やかな分、香音に関係のないところであまりにもつまらないことが起こって意気消沈したりムカついたり切れたり(苦笑)。

近況としてはドナウフェスティバルにボアダムスがきたよ。サウンドにはZAKが来たから連休はクレムスに通ったりウィーン観光に同行したり。今は野村誠くんが来ていて、しばし時を忘れておしゃべりしたり…云々。
ウィーン人の人々もお元気で、由香さんと呑みに行ったりミナちゃんと呑んだり、香音のクラスメイトとプラター行ったり映画に行ったり。Mr.ビーンは劇場であっと言う間に時が過ぎて、なかなか普通に楽しかった。会話の詳細がわからなくっても良いので、ぜひ“気取った感じに聞こえるフランス語”をBGMにするぐらいの気分で原語で観るべきかと思いました。そう、フランス珍道中のお話。


公人としての性質を持たないわたしなので、人間関係は四六時中プライベートであるはずで、プライベートタイムは人間まったく好きに過ごしていいはずで。なんとなくそれを忘れかけていたので、残りの人生は好きなことをして好きな人とだけ過ごして、無駄なストレスは背負い込みたくないもんだと、こっそりここで吐露してみたり。



それでは、股!